被災地の女性の悩み「希望進路選べず」半年で400件以上

被災地の女性の悩み「希望進路選べず」半年で400件以上
東日本大震災をきっかけに、10代から20代の女性が抱えるようになった課題について考えるシンポジウムが東京で開かれ、去年、開設された電話相談に「希望する進路を選べなかった」などの悩みが半年間で400件以上寄せられたことが報告されました。
シンポジウムは岩手、宮城、福島に住む若い女性専用の電話相談などを運営する団体が開いたもので、東京・文京区の会場には女性支援に取り組む市民など、およそ100人が参加しました。
この中で電話相談の責任者が、主に20代の女性から、進路の選択を迫られる20歳前後で震災に遭ったことで、希望する進学や就職ができなかったとか、就職先がないため被災地を離れて都会で働くことを希望しているなど、去年6月の開設以来、半年間で453件の悩みが寄せられたことを報告しました。
これを受けて内閣官房の担当者は、「こうした声を受け止め、地方で若者が自立して働ける環境を作っていくことが大事だ」と述べました。
主催した団体では、「被災地の若い女性が震災から5年がたっても、どうやって生きていけばいいのか先が見えていないことが分かった。非常に厳しい状況を広く知ってもらい、一緒に考えてほしい」としています。