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 鹿児島県の徳之島に陸揚げされた覚醒剤約100キロが押収された事件で、陸揚げに使われた漁船は逮捕された暴力団グループが所有していたことが、福岡県警への取材でわかった。覚醒剤は外国船との洋上取引を通じて同島に持ち込まれたとみられ、県警などが流通ルートを調べている。

 福岡県警は12日午前、覚醒剤取締法違反(営利目的所持)の疑いで逮捕した男4人について、暴力団幹部田中浩孝容疑者(49)=鹿児島県日置市=、同藤村誠也容疑者(67)=同県徳之島町=、暴力団組員松岡浩二容疑者(50)=神戸市中央区=、無職魚山恭嗣容疑者(68)=大阪市中央区=と発表した。覚醒剤100キロの末端価格は約70億円に上り、今年に入って押収された量としては全国で最多。県警は鹿児島県の徳之島を経由して密輸しようとしたとみている。

 薬物銃器対策課によると、田中、藤村の両容疑者は指定暴力団山口組から昨年分裂した「神戸山口組」系組織の幹部。松岡容疑者は組員。県警などは、覚醒剤が神戸山口組の資金源になっていたとみている。