廃炉作業の遠隔操作ロボット 実用化へ試験施設完成

廃炉作業の遠隔操作ロボット 実用化へ試験施設完成
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業で使われる遠隔操作のロボットを実用化するため、原子炉格納容器の一部など現地の状況を再現した施設が福島県楢葉町に完成し、30日、公開されました。
完成したのは、福島第一原発の廃炉作業に使われるロボットの研究施設、「楢葉遠隔技術開発センター」の試験棟で、JAEA=日本原子力研究開発機構が建設しました。原発の廃炉作業では、高い放射線量で人が入れない場所などで遠隔操作のロボットを活用することが計画されています。
試験棟は、高さが40メートルあり、原子炉格納容器の一部を再現した実物大の模型や、使用済み燃料プールに見立てた巨大な水槽などが整備されています。JAEAは、この施設を使いながら、ロボットが原子炉内の配管を流れる水を止めることができるかや、使用済み燃料プールの濁った水の中でがれきの状況を確認することができるかなど、複数のロボットを試験し、実用化を目指すことにしています。
この施設は、一般の企業や研究者も利用できるということで、日本原子力研究開発機構の児玉敏雄理事長は「廃炉作業には未知の部分が多いので、実際にここで試験を行い確実に成果を出していきたい」と話していました。