中国軍 西沙諸島に対艦ミサイル展開か

中国軍 西沙諸島に対艦ミサイル展開か
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世界の軍事情報を分析するイギリスの研究機関は、中国版ツイッターに掲載された写真の分析から、中国軍が南シナ海の西沙諸島に対艦ミサイルを展開させたとみられると伝えました。
イギリスの研究機関「IHSジェーンズ」はウェブサイト上で、中国軍が南シナ海の西沙(パラセル)諸島のウッディー島に対艦巡航ミサイル「鷹撃62」を展開させたとみられるという分析を公表しました。その根拠についてジェーンズは、今月20日に中国版ツイッターの「ウェイボー」に「鷹撃62」の発射を捉えたとする写真が投稿され、そこにウッディー島のレーダー施設とみられる白いドームが写っていることを挙げています。ウッディー島ではことし2月、地対空ミサイル部隊の展開が確認されていますが、「鷹撃62」も同じ時期に展開していた可能性があると指摘しています。
これについてアメリカ国防総省のクック報道官は確認を避ける一方、「いかなるものであれ領有権争いがある島々などの軍事化は、われわれにとっての懸念だ」と述べ、中国が南シナ海での軍事的な活動を拡大させていることに強い懸念を示しました。
アメリカのオバマ大統領は今月31日、核セキュリティーサミットに合わせて習近平国家主席と個別に会談する予定で、南シナ海を巡る問題が焦点の1つとなります。

中国外務省「軍事化にはあたらない」

中国軍が、南シナ海の西沙諸島に対艦ミサイルを展開させたと指摘されていることについて、中国外務省の洪磊報道官は、30日の定例記者会見で、「中国がみずからの土地で軍事施設の配備を進め、国土防衛施設の建設を強化することは、情理を兼ね備えたものだ。こうしたやり方はいわゆる軍事化にはあたらない」と述べて、防衛施設の建設の正当性を主張しました。

官房長官「既成事実化は認められない」

菅官房長官は午前の記者会見で、「昨今の南シナ海全般の状況については、わが国としても注視し、既成事実の積み重ねに対しては、改めて深刻な懸念を表明したい。中国による南シナ海における大規模で急速な埋め立て、拠点構築、その軍事目的の利用など、一方的に現状を変更して緊張を高める行為は、国際社会共通の懸念事項で、こうした行為の既成事実化は、絶対に認められないことを強調したい」と述べました。