「公益目的ある」橋下徹氏の請求棄却
橋下徹前大阪市長が自らの家族関係に関する月刊誌「新潮45」の記事で名誉を傷つけられたとして、発行元の新潮社(東京)と執筆者のノンフィクション作家に計1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、大阪地裁であった。西田隆裕裁判長は「内容は真実で公益目的があり、違法性はない」と判断し、請求を棄却した。
同様の内容を含む週刊新潮の記事を巡る訴訟では昨年10月、地裁の別の裁判長がプライバシーの侵害などを認定。新潮社に賠償を命じている。
今回の記事は2011年11月号で、当時大阪府知事だった橋下氏の父親らの経歴などを取り上げた。
判決は「橋下氏の社会的評価を低下させ、名誉を毀損(きそん)するもの」と指摘。しかし、父親が橋下氏の幼少期の養育に関わった点に触れ「人格形成に影響を与えており、政治家としての適性を判断するのを助ける内容」と認定し、公益を図る目的があったと判断した。
橋下氏側は「コメントする予定はない」。新潮45編集部は「当然の結果だと考えている」との談話を出した。【三上健太郎】