ソウルをはじめとする韓国全国で29日、微小粒子状物質(PM2.5)の大気中濃度が普段の2-4倍に急上昇し、全国大半の地域で街が白くかすむスモッグ現象が起きた。
こうした高濃度の大気汚染は、中国の産業地帯で排出されたさまざまな大気汚染物質が西海(黄海)上空にたまり、西風に乗って韓国に一部流れ込んできたせいでもあるが、韓国国内のディーゼル車などの排ガスに含まれる PM2.5がより大きな原因と分析されている。
環境部(省に相当)の国立環境科学院によると、大気の流れが停滞することにより、31日まで高濃度の大気汚染が続く見通しだ。気象予報会社Kウェザーのパン・ギソン予報センター長は「PM2.5は単なるほこりではなく、さまざまな発がん性物質などが混ざった毒性物質。呼吸器疾患や心血管疾患などに致命的な『ひそかな殺人者(Killer Air)』の空襲が再び始まった」と述べ、注意を呼び掛けた。
この日、PM2.5の大気中濃度は全羅北道が1立方メートル当たり61マイクログラム(マイクロは100万分の1)、仁川市が60マイクログラム、忠清南道と釜山市、京畿道がそれぞれ55マイクログラムを記録。全国大半の地域で、韓国の環境基準(50マイクログラム以下)と世界保健機関(WHO)の基準(25マイクログラム以下)を大幅に上回った。