ソフトバンクが2016年3月30日にオープンした「ものづくりを支援する」新サイト『+Style』(プラススタイル)。商品企画提案からクラウドファンディング、ショッピングまでをサポートし、いわゆるメイカーズ系の個人から大手企業までが参加可能な新サービスです。

同日に東京・秋葉原にて開催された発表会では、実際にプランが提案される30以上の製品が一同に介し、メイカーズ系、あるいはスタートアップ系イベントのような様相を呈しました。ここでは、筆者がとくに注目した製品をピックアップして紹介します。

ソフトバンク +Style発表会で見かけた注目製品

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まずは、会場となったベルサール秋葉原の入り口に陣取った、GALAX-ZZこと『Tommy Kaira ZZ ガッチャマンクラウズVer.』。アニメ「ガッチャマン クラウズ」シリーズに登場する重要キャラ、爾乃美家 累(にのみや るい)の愛車を再現した仕様の電気自動車(EV)です。





2シーターのオープン車、かつサイドのエアインテークなどもかなり戦闘的なデザインですが、実際の性能も停車状態から100km/hまで到達時間が3.9秒と、EVならではの加速性能を備えたもの。ショッピングアイテムとして登場予定です。





続いては、サプライズ的に展示された米国の新興スマートフォンメーカー、NextbitのSIMフリーAndroidスマートフォン『Robin』です。色はミント(緑と白のツートン:タイトル写真)とミッドナイト(ブラック系)の2種で、こちらもショッピングアイテムとして登場予定。



SoCにクアルコムのSnapdragon 808を搭載し、画面は5.2インチのフルHD IPS液晶、メインメモリ3GB+ストレージ32GB、サイドに電源ボタンを兼ねる指紋認証センサーを搭載し、USB端子はタイプC形状(速度は不明)という高級仕様のモデル。

米国価格は399ドルで、送料+税は掛かるものの、既に同社直販サイトからの注文も可能な状態(現状で技術基準適合証明等も受けています)。ですが+Styleでは、これを4万円台(細かい価格は調整中とのこと)で販売予定。つまり為替などのタイミングによっては、直輸入よりもお得になる可能性があります。



ユニークな特徴としては、同社カスタム版Androidにより、利用頻度の低いインストール済みアプリをデータ込みで自動バックアップする点。バックアップ先となるのは同社のクラウドストレージで、ユーザーは100GBの使用権が与えられます。

画面には灰色のアプリアイコンが表示されていますが、これがバックアップ済みの状態です。バックアップ状態から起動すると、自動的にリストアされて起動するという仕組み(そのため、明示的にバックアップさせない設定も可能です)。SDカードスロットは非搭載ですが、この自動バックアップによる効率的なストレージ運用をアピールする、ユニークなモデルです。



セレボがクラウドファンディングアイテムとして用意するのが、XONシリーズのロードバイク向けライブテレメトリデバイス『RIDE-1』。自転車のフレームに装着することで(左に見えているモデルはフレームに装着した状態を模しています)、走行速度やGPSによる位置、傾きや衝撃といった情報を記録でき、スマートフォンアプリによるデータの可視化と確認を可能にします。



なお、同社は自社のクラウドファンディングサイト「Cerevo DASH」を有しますが、RIDE-1の出資募集は+Styleでのみ行われます。また会場では、RIDE-1と合わせてCES 2016で公開された3Dプリンタで製造するセンサー内蔵ロードバイク『ORBITREC』も参考展示されました。



出展された中でも、アイデア製品度では1、2を争うのがNaran Inc.の超小型「指ロボット」『マイクロボット・プッシュ』です。ショッピングアイテムとして販売中で、本体(写真左)単体が7480円(税込)、ハブデバイス(写真右)1個と本体3個をセットにしたスターターキットが2万7980円(同)。





「両面テープで本体をスイッチ周辺に貼り、指の代わりをするアクチュエーターでボタンやスイッチを押す」というシンプルな構造により、部屋の照明や家電のボタンを(直球な力技で)スマートフォンなどからリモコン操作可能にするという、一見バカバカしくも実用度の高いアイテムです。





ヘルスケア系での注目は、E3 Enterpriseがクラウドファンディングアイテムとして展示した、針を使わず、採血せずに血糖値が測定できるデバイス『KETTO』。糖尿病患者を中心にここ数年登場が待ち望まれていた非接触タイプの血糖値測定機器です。





同社は同じくクラウドファンディングアイテムとして、睡眠時の基礎体温や呼吸状態をモニターする『SOiNE』と、スポーツ時などの脳震盪事故を防ぐための頭部衝撃感知+温度センサー『Impact Monitor』も展示。それぞれが必要とされる現場では非常に有用度の高いライフログ機器のため、注目が集まりそうです。





そのほかにも、Foxconn Interconnect Technology Inc.の、外出中でもスマートフォン経由で自宅エアコンを操作できるリモコンユニット『Rattan LeOne Smart Air Conditioner Control』や、Bluetooth経由でスマートフォン連動可能なはかりでコーヒーの入れ方を可視化できる、Acaia Corporationのコーヒーキット『Acaia Coffee Club』なども出展。





Samsung C&T Fashion Divisionのスマートベルト『WELT』、同じくSamsung C&Tの六角形ソーラーパネル搭載バック『SOL BAG』など、ファッション系に近いアイテムなども展示されていました。



このように+Style発表会の展示は、もはや小規模なトレードショーと言っても過言ではないほどのアイテムが展示されたものとなりました。参加者もかなり多く、一部はやはりトレードショーに近い混雑っぷりとなっていたのが印象的です。

このあたりからも、ソフトバンク側のこの事業に対する取り組みの強さが感じられるところ。発表会本編のレポート(下記記事)でも紹介したように、クラウドファンディングサービスに着目する機会の多い読者などにとっては、いろいろな意味で注目すべきサイトとなるかもしれない......という予感は、これらの展示を見てかなり強まった次第です。

実は原点回帰、ソフトバンクがものづくり支援事業に参入。企画から資金調達、販売までを新サイト「+Style」で支援
スポーツEVからS808搭載SIMフリースマホ、指ロボットまで。ソフトバンク新事業『+Style』発表会の注目製品を紹介
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