MENU
HOME発達障害とはADHD(注意欠如多動性障害)

ADHD(注意欠如多動性障害)

発達障害の中で、ADHD(注意欠如多動性障害)の特徴が割合に強く見られる方向けにまとめています。ただしほとんどの場合はADHDだけでなく、ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)やLD(学習障害)の特徴も併せて見られると思われます。

なお、このページでは大人のADHD(注意欠如多動性障害)について解説しています。子どものADHD(注意欠如多動性障害)については当社の小中高生向け放課後等デイサービス・TEENSのウェブサイトリンク をご覧ください。

ポイント 
ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)と異なり、男女による診断割合はほとんど変わらない。このため、女性ではADHDの診断がKaienでは最も多い。
大人になると身体の多動が出る人はほとんどいない。しかし頭の多動性はある。身体の多動性がないと大人になるまで明らかになりづらく、診断が遅れやすい。ただし特徴は診断前後で変わるものではなく基本的に一生残るものである。
ミスや不注意が多く、事故にあいやすかったり、細かな失敗が多かったり、日常生活や仕事の現場で難しさを感じやすい。
発想力が豊かで、次々に新しいアイデアが湧いてきたり興味・関心が広がりやすい。
複数の薬が開発されており、服薬によって生きづらさが改善されるケースが多い。
診断の割合は全米の子どもの11%という数字もあり、ごく一般的な特徴ともいえる。

特徴1 頭が”多動”である

大人になるとほとんどのADHDの傾向がある人も身体の多動が目立たなくなります。ADHDのHがHyperactivityをさしているためHを抜かしてADDと呼ばれることもあります。しかし体の多動が無くなっても頭の多動は残ります。つまり上手に頭の中を整理できない、制御できないような感覚です。多くの人は日常、注意関心の制御に苦労することはありません。注意関心の範囲・深度を適度に調整してくれますし、意識すると注意を特定の物事からONにしたりOFFにしたりができます。しかしADHDの人はこの注意関心の調整がほかの人のようにうまくいかず、ONにしたくても(つまり何かに注意関心を向けたくても)出来なかったり、OFFにしたくても(つまり何かから気を背けたくても)ずっと意識してしまうなどが見られます。このため、考え続けたくないことを考えたり、注意したり覚えておきたいことをうっかり忘れてしまう、気をそらしてしまうなどが起こり、日常生活や仕事の場でミスや抜け漏れを起こしやすくなります。

特徴2 衝動性・突発性がある

瞬間湯沸かし器のように急に怒ったり、悲しんだりという気分のむらが強いのがADHDの人のもう一つの特徴といえます。短期的にアップダウンがあるため双極性障害と見分けがつきにくいこともあります。注意すべきは中長期の衝動性・突発性です。つまり数日や数か月で、関心があるものが変わったりすることが多く、仕事を転々としたり、通っているクリニックが自分に向いていないと思って変えてしまうなど、継続することが難しいことが多く見られます。年齢が若いうちは問題が見えにくいですが、この中長期の衝動性・突発性が収まらないと、安定したライフプランを立てにくくなる恐れが強くなりえます。

特徴3 ミスや不注意が多い

特徴の1と重なりますが、ADHDの人が最も訴えるのはミスの多さ、抜け漏れの多さです。注意・関心が制御しづらいため、またワーキングメモリー(短期記憶)が小さいためと考えられます。もちろん知的水準に応じてミスの出方は差がありますが、ADHDの人はわかっていてもミスが出てしまう、つまり不注意が多いということになります。ご本人もそういった自分のミスに後で気づきやすいため、ADHDの人は日常生活を送るだけで自分の至らなさに思い悩み、傷つきやすくもあります。

仕事では?

ADHDを自認する有名人は多く、米国ではADHDをカミングアウト(公開)して働いている人もいます。脳が多動な部分を上手に活かせば独自な視点や発想という経済的価値につながり雇用の現場でも高く評価される可能性が出てくるためです。もちろん顧客や上司の要望や期待に沿ったアイデアや行動をする必要があることと、ある程度の専門性も併せ持つ必要もあります。

ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)が強く見られる人と違って、ルールやマニュアルを徹底されても仕事でミスや漏れが多くなる可能性もあるほか、少しでも興味を持てないと眠気が出てさらに不注意度が増すなど、ADHDの人の職業支援はASDと違う部分が多くあります。つまりご本人の興味関心や集中度が保ちやすい職種・仕事の現場を選びながら、ミスや不注意が許容される文化や業務内容を考える必要があります。ASDがある程度画一的な支援が可能だとすると、ADHDの場合はオーダーメイドが一定程度必要になる可能性があります。

ADHDの有る無しに関わらず、ミスは誰にでもあるものです。ミスを認めてくれる職場はほとんどないですが、ミスが出ることを前提に作られている(フェールセーフの概念がある)職場は製造業などを中心に数多くあります。支援者としてもそのような誰にでも優しい働き方、雇用の仕方を模索するヒントになりえるともいえます。

Kaienの就労移行支援では?

Kaienでは発達障害の人向けに職業訓練や就職活動の支援をする就労移行支援を行っています。ADHD(注意欠如多動性障害)の傾向が強い方の場合は、興味や関心が様々に移ってしまうことがあることから、就活の方向性が散漫になることが多めです。このため頻繁にキャリアカウンセリングを行い、何が長期的にその人の特性にあったものなのかを確認します。具体的には職業訓練での評価や過去に当社の職業訓練に通った人の中で似たタイプの実例などの客観的な情報をもとに、一人一人に合った就活の方向性をサポートしています。具体的な支援方法などについてはご利用説明会でより詳しくご案内しています。

ミスの多さ、抜け漏れの多さについては、まずはご自身がどのような環境、どのような疲れ具合、どのような業務内容の時に起こるかを分析し理解することが大事だと思っています。このため、1週間ごとに様々な業務を体験してもらい、ご自身の弱みが出にくい環境を探っていただいています。ADHDの方は面接は上手で就職はしやすいが、その後の定着が難しいタイプが少なくありません。ご自身のミスの傾向と対策を就労移行支援で学んでおくことで、定着率も高まっています。就職や定着実績はこちらをご確認いただいたり、ご利用説明会にお越しください。

当社内リンク

発達障害の特性を活かした就職を! 就労移行支援などをご紹介中! 
ご利用説明会は オンラインフォーム または
03-5823-4960 / 045-594-7079 (平日10~17時)で
ご予約ください

ご利用説明会・見学会 個人情報保護方針 採用情報 Kaien Blog ガクプロ-ガクセイからプロフェッショナルへ TEENS-発達に凸凹のあるお子様向けの学習支援&お仕事体験