韓国国土交通部(省に相当)は29日、メルセデス・ベンツ・コリアが当初届け出た変速機とは異なる変速機を車両に搭載していたとして、同社とディミトリス・シラキス社長を自動車管理法、大気環境保全法、騒音・震動管理法、エネルギー利用合理化法違反の疑いでソウル中央地検に告発した。
ベンツ・コリアはディーゼル仕様のS350Dに7段変速機を搭載すると届け出ていたが、無断で1月27日から9段変速機を搭載し、98台を販売した。
同社は認証とは異なる車種が輸入、販売された事実を確認し、直ちにディーラーに販売注視を求め、自発的に関係機関に事実関係を報告したと説明。該当モデルを購入した顧客には謝罪文を送付し、後続措置が決まり次第、ディーラーと協力し、適切な補償を行うとした。国土交通部は「消費者に大きな被害が及んでいないため、告発以外の措置は取らない予定だ」とした。
輸入車業界では、今回の告発が年初から販売好調のベンツ・コリアにどんな影響を与えるかに注目している。ベンツ・コリアは今年1月に発売した新型GLC、新型GLEなどSUVの販売好調で、韓国の輸入車市場でBMWに大差を付け、1位になった。韓国輸入自動車協会(KAIDA)によると、ベンツ・コリアは今年1-2月に8085台を販売。7年連続で首位を守ってきたBMWコリアは昨年発売した7シリーズの不振で5326台にとどまった。