子宮頸がんワクチン副反応、国と製薬会社を集団提訴へ
TBS系(JNN) 3月30日(水)19時10分配信
これまでおよそ340万人の少女らが接種したとされる子宮頸がん予防ワクチン。このワクチンをめぐり、副反応を訴える全国の少女らが、国や製薬会社を相手取り、集団で提訴することになりました。5年前、子宮頸がんワクチンを接種した21歳の酒井七海さん。接種後、痛みやけいれんなどを発症しました。現在も脚を思うように動かすことができません。
「バランスが取れなくて」(酒井七海さん)
子宮頸がんの原因となるウイルスの感染を防ぐとして開発された子宮頸がんワクチン。3年前の4月、小学校6年から高校1年の女子を対象に無料で受けられる「定期接種」に指定されました。しかし、その2か月後、国は接種の推奨を一時中止します。けいれんや慢性的な痛みが続くなど、ワクチンの副反応とみられる「報告」が相次いだのです。自治体による無料接種は3年以上前から行われていて、これまでおよそ340万人が接種、副反応の報告は2700件にも上っています。
「針に刺されているような重い痛み」(副反応を訴える望月瑠菜さん)
山梨県に住む高校2年生の望月瑠菜さん(17)。小学6年生のときにワクチンを接種。5年間、全身の痛みに悩まされています。
「手も足も血が通っていないような紫色になっちゃって。今も唇が青い」(母親)
血の流れが悪い状態が続いているといいます。こうした副反応を訴える人に対して、国はこれまで診療する全国の医療機関を整備、医療費の救済も去年から本格的に始めました。一方で、ワクチンをめぐっては、WHO(世界保健機関)が「リスクがあったとしてもとても小さく、効果の方が高い」と安全性を訴える声明を出していて、国も製薬会社も副反応の「責任」を認めていません。
「今年も3年生で、すぐ卒業。時間もない。とにかく早くしてもらいたいです」(望月瑠菜さん)
30日、東京で開かれた記者会見に2人の姿がありました。国と製薬会社を相手取り、副反応に悩む女性たちとともに損害賠償を求める集団提訴に踏み切ることを決めたのです。
「苦しんで過ぎていった時間は二度と戻ってきません」(酒井七海さん)
「たった一本のワクチンに人生を奪われて本当に悔しいです」(望月瑠菜さん)
弁護団は今後、全国各地で提訴に向けた説明会を開きながら、原告の人数を確定させる方針だといいます。
厚労省は、「現時点でのコメントは差し控えたい」としています。(30日15:52)
最終更新:3月30日(水)19時35分

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