蹴球探訪
フロンターレと陸前高田市
築かれた新たな絆
(3月16日)
【ゴルフ】国内男子開幕前連載(上) 稲森佑貴はツアー初V狙う2016年3月30日 紙面から
2016年の男子ゴルフツアー国内第1戦、東建ホームメイトカップ(東建多度CC・名古屋)が、14日に開幕する。華やかな女子の隆盛の陰で、人気低迷が続く男子ツアーにも躍進を期する有望な3人の若手がいる。第1回は、稲森佑貴(21)=グリーンゴルフ練習場=が今季に懸ける思いを熱っぽく語った。 昨季はフェアウエーキープ率で1位(69・61%)を取れました。9月にはシード権の獲得をほぼ決めることができて、「次の目標として目指してみよう」と狙った(ツアー優勝者とランク上位者ら30人で争われる)日本シリーズJT杯にも初めて出ることができました。 成長の要因は、早い段階でプロになったことによる「経験」です。16歳の高校生でプロになって、ツアーのデビュー戦(2012年日本プロ)で一緒に回ったのが池田勇太さん、河井博大さんでした。テレビの画面の向こう側にいた選手と間近で回って、しかもギャラリーの威圧感がすごくて、正直、ゴルフをした気持ちにはなりませんでした。 でも、そういった経験が生きているんだなと思っています。 「守る時もあれば、攻める時も大事だな」といろんな選手のプレースタイルを見て、学んできました。毎日が勉強で、先輩たちの培ってきた技術、コースマネジメントを見て、盗んでいる部分はとても多いです。僕はクラブを優しく振るスタイルなので、「誰が近いだろう」と考え、体格が近い選手のスイングを自分に当てはめてみたり、スイングリズムが似ている人との共通点を見いだし盗んだりしてきました。
特に、藤田寛之さんは体格やハンドファースト(グリップをボールより左側で構えること)して打つところが自分と似ています。自分とどこが違うのか、ショットやパットはどんな練習をしているのか。せっかく間近で見られるので、「勝手に見させていただきます」と、数え切れないほど見ています。 ◇ ◇ ドライバーの正確性は、僕のゴルフ人生を支えていくものかなと思っています。唯一の持ち味です。ただ、昨季はフェアウエーキープ率1位でしたが、正直、数値に納得はしていません。10月のツアーワールドカップから最終戦までに(同率が)約2%も落ちてしまったからです。結果としては1位を取れて良かったけれど、頑張った分がそがれてしまってちょっと残念です。だから、部門別の目標として、今季は(2005年に)井戸木鴻樹さんが記録した数値(70・32%)を超えたいと思っています。 さらに、昨季3位だったパーオン率(69・82%)も上げていきたい。そうなると、最終的な課題はやはりパッティングになります。ぼくは平均パット1・8169(85位)で、もったいないことをしていることが多くて…。うまい人はチャンスにつけたらガツンと決めて、流れに乗ってくる。どこからでも決めてくる。パッティングが締めくくりで一番大事だと思います。パッティングを極められればと思って、練習場でもいろんなラインで練習しています。 ◇ ◇ 今季の最大の目標は優勝です。そして、日本シリーズJT杯に出場してリベンジすること、昨季予選落ちした試合で決勝ラウンドに進むことです。それに向けて、オフはトレーニングで体力をつけたり、きつい状態で練習をしたりしています。昨年11月のカシオワールドオープンでは疲れ果てたようなゴルフでした。シーズン終盤に「体力が持たない」というのは言い訳にしかなりません。今は体力をつけて、後半戦で厳しい状態に陥っても、落ち着いていけるようにやっています。 ゴルフ人生の最終的な目標は、まだ考えていません。海外進出も視野に入っていません。国内で頑張るだけ頑張りたい。「もう悔いはない!!」と感じた時、海外でプレーすることを考えるかもしれません。ちょっと思っているのは、PGA(米男子)ツアーに1試合出てみたい。それがメジャーなら万々歳です。だけど、とりあえず、今は昨季の賞金ランク(29位)を上回ることだけを考えています。先のことなんか、分かんない。やってみないと分かんないです(笑)。せっかく試合に出られるんだから、今は気力で崩れないよう、精いっぱいのことをやろうという気持ちです。 (取材・構成=松岡祐司) <稲森佑貴(いなもり・ゆうき)> 1994(平成6)年10月2日、鹿児島県生まれの21歳。169センチ、68キロ。6歳でゴルフを始め、鹿児島城西高2年時の2011年9月にプロテスト合格。同年日本プロ新人選手権優勝。12年日本プロ選手権でツアーデビュー。14年ダンロップ・スリクソン福島オープン2位、15年ブリヂストンオープン2位が自己最高位。15年賞金ランク29位。得意クラブはドライバー。キャディーを務める父・兼隆さんとともにキャンピングカーで転戦している。 PR情報
|