News Up 水素水って何? 疑問に答えます
「水素水」という商品を、最近見聞きすることが多くなっています。ネットを調べると、「水素でイキイキ」「飲んでアンチエイジング」といった商品の広告が目につきますが、一方でソーシャルメディアなどでは、水素水の効能に懐疑的なコメントも見受けられます。水素水とはどのようなものなのか、専門家やメーカーに取材しました。
そもそも水素水への関心が高まったきっかけは、平成19年、日本医科大学の太田成男教授の研究チームが発表した研究結果だと言われています。研究チームは、体内で老化や病気の進行に関わるとされる「活性酸素」を、水素ガスが除去することを確認したと発表し、ニュースでも報じられました。太田教授によると、その発表の時期と前後して、水素ガスを水に溶かして水素水として販売したり、自分で水に水素を注入できるとして器具などを販売したりする動きが出てきたということです。
大手メーカーも参入するようになり、清涼飲料水メーカーの伊藤園では、水素水の商品全体の直近の売り上げは、前年同期と比べて約4割増えているということです。
大手メーカーも参入するようになり、清涼飲料水メーカーの伊藤園では、水素水の商品全体の直近の売り上げは、前年同期と比べて約4割増えているということです。
関心高まるきっかけは
そもそも水素水への関心が高まったきっかけは、平成19年、日本医科大学の太田成男教授の研究チームが発表した研究結果だと言われています。研究チームは、体内で老化や病気の進行に関わるとされる「活性酸素」を、水素ガスが除去することを確認したと発表し、ニュースでも報じられました。太田教授によると、その発表の時期と前後して、水素ガスを水に溶かして水素水として販売したり、自分で水に水素を注入できるとして器具などを販売したりする動きが出てきたということです。
大手メーカーも参入するようになり、清涼飲料水メーカーの伊藤園では、水素水の商品全体の直近の売り上げは、前年同期と比べて約4割増えているということです。
大手メーカーも参入するようになり、清涼飲料水メーカーの伊藤園では、水素水の商品全体の直近の売り上げは、前年同期と比べて約4割増えているということです。
水素水の“効果”は?
太田教授は「水素水について、この9年間でパーキンソン病やリューマチなどに効果があるという臨床結果の論文が発表されている」と、今後の研究とその成果への期待を語っています。一方、メーカーの伊藤園では、「現時点では研究の途中なので、メーカーとして健康への効果についてはコメントできない」と述べています。
太田教授とともに水素の研究にあたった、東京都健康長寿医療センター研究所の大澤郁朗研究副部長は「水素が特定の病気に効果があるかどうか、まだ医学的には証明できていないのが現状ではないか」としながら、ちまたには、消費者が注意したほうがよい商品もあることを指摘しています。
太田教授とともに水素の研究にあたった、東京都健康長寿医療センター研究所の大澤郁朗研究副部長は「水素が特定の病気に効果があるかどうか、まだ医学的には証明できていないのが現状ではないか」としながら、ちまたには、消費者が注意したほうがよい商品もあることを指摘しています。
水素がほとんど含まれない商品も
太田教授と大澤研究副部長がそれぞれ研究のために、水素水として販売されている商品の成分を調べたところ、中には水素がほとんど含まれていない商品もあったということです。
また国民生活センターによりますと、「自宅の水道水を『水素水』に変えられる」などとうたった器具について、「数十万円もしたのに表示どおりの性能が出ない」といった苦情や相談が寄せられたケースもあったということです。
大澤研究副部長は「通常の清涼飲料水と同じようなペットボトルでは水素が抜けてしまうので意味がありません。また、商品の説明で、『○○病』に効くなど、具体的な病気に対する効果をうたったものは医薬品医療機器法に違反する可能性があります」と指摘しています。
また国民生活センターによりますと、「自宅の水道水を『水素水』に変えられる」などとうたった器具について、「数十万円もしたのに表示どおりの性能が出ない」といった苦情や相談が寄せられたケースもあったということです。
大澤研究副部長は「通常の清涼飲料水と同じようなペットボトルでは水素が抜けてしまうので意味がありません。また、商品の説明で、『○○病』に効くなど、具体的な病気に対する効果をうたったものは医薬品医療機器法に違反する可能性があります」と指摘しています。
「ほかの健康食品と同様に・・・」
長年、健康食品に関する消費者問題に携わっているNACS(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会)消費生活研究所の戸部依子所長は「水素水のブームは、『科学的な理屈は難しいけれど、体によさそうな印象がある』という点で、過去の『アルカリイオン水ブーム』にも似ている」と話しています。そのうえで、「医薬品ではないので、飲んですぐに実感できるような効果は考えにくいと思います。多くの健康食品と同様、水素水だけですべての健康の問題が解決するような期待は禁物ではないでしょうか」と話しています。