エジプト機ハイジャックされる 個人的動機でテロと無関係
2016年3月29日22時1分 スポーツ報知
エジプトの民間航空省などによると、同国北部アレクサンドリア発カイロ行きのエジプト航空181便が29日、エジプト人の男に乗っ取られ、地中海の島国キプロスのラルナカ空港に着陸した。男は空港で乗客らを順次解放した後、当局に拘束された。乗客乗員は全員無事だった。
ロイター通信によると、キプロスのメディアは、男の元妻がキプロスにおり、個人的な動機から犯行に及んだとみられると伝えた。エジプト民間航空省によると、男は爆弾ベルトを持っていると機長を脅迫したが、中東通信はキプロス当局からエジプト当局に対し機内に「爆発物はない」と連絡があったと報じた。
キプロスのアナスタシアディス大統領は、ハイジャックはテロと無関係だと述べた。また、エジプトのファトヒ民間航空相は記者会見で、ハイジャック犯は武器を所持していないと語った。民間航空省報道官によると、同機には幼児1人を含め乗客56人、乗員16人の72人が搭乗していた。
在エジプト日本大使館の担当者は、日本人が乗っていたとの情報は入っていないと述べた。エジプト民間航空省によると、乗客にはオランダ、米国、ベルギー、英国、フランス、イタリアなどの国籍が含まれている。
ロイターによると、男は警察に航空機から離れるよう警告したという。
エジプトでは昨年10月、ロシア機が墜落、乗客乗員224人全員が死亡した。過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出し、空港の警備態勢が疑問視されたため、全国の空港で態勢が強化されている。(共同)