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 1986年に大事故を起こしたチェルノブイリ原発(ウクライナ北部)から30キロほど離れた「ポレーシェ国立放射線生態学保護区」(ベラルーシ南部ゴメリ州)内で29日、絶滅の危険性が高いとされる大型動物「ヨーロッパバイソン」の群れを撮影した。

 2160平方キロに及ぶこの保護区は、事故でベラルーシに降ったセシウム137の3割、プルトニウムのほとんどが落下したとされる高汚染地帯。事故後に住民は退去させられ、今も立ち入りは厳しく制限されている。朝日新聞は関係当局の許可を得て入り、旧ソ連時代の集団農場の畑跡で休む、成獣と幼獣からなる10頭ほどの群れを見つけた。

 保護区の当局者によると、96年に外部から増殖目的で16頭のヨーロッパバイソンを導入。無人となった地域で畑などが森や平原に変わり、2015年には116頭まで増加したという。(ベラルーシ南部ホイニキ近郊=松尾一郎)