2016年3月30日14時42分
名古屋城天守閣の木造復元を目指す河村たかし名古屋市長は29日、復元の技術提案をした2社から竹中工務店を選んだと発表した。木造復元案が固まり、議会説明や、是非を問う市民アンケートへと手続きが進む。
市は東京五輪のある2020年の7月末までの完成を条件に技術提案を公募。竹中工務店と安藤・間の2社が応じ、専門家らが、工期達成や事業費縮減の工夫、バリアフリー、木材の調達方法などで採点した。
竹中案は4人乗りのエレベーターを取り外すと天守閣が元の姿になるように設計され、総事業費473億~504億円。安藤・間の案はそれより25億~40億円抑え、エレベーターは11人乗りだった。史実への忠実さや実現可能性などから、竹中案になったという。
市長は尾張藩主に扮して発表。市が最大400億円と試算した総事業費が膨れたことには「交渉するが、理にかなった値段。名古屋は地の利が良く世界中から客が来る。入場料収入や観光収入でまかなえる」。
市はこれから市民に対し、4月下旬に2千人規模の報告会を5回開いて竹中案を説明。5月半ばまでに結果が出る2万人規模のアンケートでは、木造復元か、29億円かけて鉄筋鉄骨コンクリート造りのまま耐震改修するかを問う。
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