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工藤明男コラム

元関東連合幹部・工藤明男の時事評論「山口組の人が疑心暗鬼になっている!?」

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写真はイメージです


 また東京が騒がしくなっていますね。

 神戸山口組の井上組長が上京してくるという噂と同時に六代目山口組サイドでは待機がかかり、「一歩も表にでるな」という通達が出たというのに、なぜか神戸山口組の組員の人たちとにらみ合う場面が生まれたりと、あちらこちら混乱しまくっています。

 たとえば昨日(29日)、福岡県に拠点を置く指定暴力団・浪川会の東京事務所で神戸山口組の会合が行われたらしいんですが、その会合を妨害しようとしたのか六代目山口組の組員が道路の反対側に大勢集まって、激しい怒号を飛ばしているところをニュース番組で見ました。

 報道によれば、その数は50人を超えるとのこと。

 でも、待機命令がかかっていたはずの六代目山口組系の組員の人たちが、なぜ表に出ていたかのでしょうか。

 関係者によれば、その原因に、どうも「疑心暗鬼」があるのではないか、というんですよ。

 たとえば先日、こんな事件があったといいます。

 六代目山口組側に属している、ある組織Aがありました。その組織は、別の組織B──そこは「抗争の指揮をとる!」と言っていた組織でもあったのですが──から「アクションを起こせ! 起こせ!」と尻を叩かれていたといいます。

 でも、Aは、様々なしがらみから、動くに動けなかったようなんですね。

 それにしびれを切らしたBが、Aの重い腰を上げさせようと、神戸山口組の犯行を装ってAの下部組織の事務所など3ヶ所に火炎瓶を投げた、という噂があるのです。

 こういうのも政治的といえば政治的な駆け引きなのかもしれませんが、事態はBの思うようにならなかったといいます。

 なぜかというと、一連の犯行が神戸山口組サイドによるものではないと、すぐにAが気づいちゃったからなんです。

 Aは、ヤクザと関係のない業界にも太いコネクションを持っており、その関係で警察当局にもパイプがあったようなんですね。

 お陰で、すぐ事実を知ることになったようなのですが、それに対してBの出した回答がこちら。

「処分者が勝手にやったことなので関係ない」

 こんな言い分が通っちゃうんですか? でも、Bは通しちゃったらしいんですよ。

 とはいえ力技で言い分を通されたほうはたまらないと思いますよ。組織に対して疑心暗鬼にもなるだろうし、徐々に言うことをきかなくなってしまってもおかしくないのではないでしょうか。

 なかには「誰が敵か味方かわからない」という声もちらほら出ているとか。

 まあ、一般市民さえ巻き込まないようにだけしていただければ、僕らには関係のない話ではありますが。


(文=工藤明男)


【工藤 明男 (くどう あきお) プロフィール】
東京都生まれ。作家。杉並区出身の関東連合元リーダー。IT・芸能の分野で活躍。経済界のみならず政界にも幅広い人脈をもっており、現在は複数の企業の筆頭株主として、主に投資と企業コンサルタントの仕事を行なっている。警察当局から関東連合の資金源と目されてきた。表舞台に顔を出したことはない。