横山健彦、小河雅臣
2016年3月30日12時48分
京都府福知山市の陸上自衛隊福知山駐屯地の史料館に、国連平和維持活動(PKO)で南スーダンに派遣された陸上自衛隊第5次派遣施設隊の宿営地で発見された銃弾1個が「日本隊宿営地に着弾した5・45ミリ小銃弾」と記載されて展示されていることがわかった。
展示の説明には、2013年12月16日未明の日付が書かれている。
防衛省の統合幕僚監部報道官室によると、この日の午前1時すぎ、首都ジュバの宿営地で、複数の隊員が銃声を断続的に聞いたという。銃声が何に起因するものかについては「確認できていない」と説明する。
防衛省はこれまで銃声について公表していなかった。理由について、「南スーダンでは銃声が聞こえることが多く、自衛隊員の安全が脅かされる事態ではないと認識しているため」と説明している。銃弾の展示については「今回初めて知った」という。
一方、駐屯地広報室によると、自衛隊が使用している小銃の弾は、展示物とは異なる5・56ミリ弾だという。同室は「着弾」と判断するのに必要な要件である、銃弾が地面に当たった際に発生する砂ぼこりを目撃したかなどを、現在駐屯地にいる隊員では確認できないとしている。宿営地外に落ちていた弾を持ち帰った隊員がそれを宿営地内に落とした可能性や、宿営地を造る前からその場所にあった可能性もあるという。「着弾」と記した根拠や発見場所、展示時期や目的などを、当時の責任者に確認している。
陸自は12年から南スーダンでのPKOに参加。13年11月から14年6月まで5次隊として派遣された約400人のうち、福知山駐屯地からは、隊員約90人が参加した。現地で、難民キャンプでの給水や排水溝整備などの難民支援活動にあたった。宿営地付近で14年1月に銃撃戦が起き、第5次派遣施設隊の隊長(当時)は、正当防衛や緊急避難に該当する場合の射撃を全隊員に許可した経緯がある。この際は、発砲はしなかったという。
南スーダンでのPKOには、昨年11月から今年6月までの予定で9次隊が派遣されている。安全保障関連法の成立後としては初の派遣だが、政府は「駆けつけ警護」などの新しい任務や活動はさせない方針。(横山健彦、小河雅臣)
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朝日新聞国際報道部
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