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 政府の2016年度当初予算が29日、参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決され、成立した。安倍晋三首相は近く、足元の景気を支えるため追加の経済対策を検討するよう指示する。首相は参院選と衆院選を同時に行う衆参同日選も視野に入れており、消費増税の再延期も含め、5月下旬の主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)前後に最終判断することになりそうだ。

 首相は予算成立後、首相官邸で記者会見し、「予算の早期成立こそ、最大の経済対策と申し上げてきた。早期執行が必要だ。可能なものから前倒し実施するよう財務大臣に指示する」と表明した。約6兆円の公共事業関係費などを中心に執行時期を前倒しする。

 首相は会見で、30日から4月2日まで訪米し、米ワシントンで核保安サミットに出席することを取り上げ、「世界のリーダーたちと可能な限り首脳会談を行い、経済情勢について議論を行う」と説明。こうした議論を踏まえ、追加の経済対策について早ければ帰国後の閣議で関係閣僚に検討を指示する。

 経済対策の取りまとめ時期や対策の柱となる補正予算案の編成について、首相は「G7による政策協調が求められている。世界のリーダーと議論を尽くしながら見極めたい」との考えを示した。補正予算の規模について政府や与党では「5兆円超」「10兆円規模」といった見方が出ている。