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印南敦史印南敦史  - ,,,  09:30 AM

「みんな教」に惑わされるな。人生の主導権を取り戻す方法とは?

「みんな教」に惑わされるな。人生の主導権を取り戻す方法とは?

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人生に主導権を取り戻す90分の授業』(高橋ひでつう著、三才ブックス)の著者は、元京都精華大学特任准教授。本書は、著者が大学や専門学校で講義してきたことを中心としたもので、いまの時代をうまく乗りこなし、「人生に主導権を取り戻す」ためのヒントを盛り込んでいるのだそうです。

しかし、そもそも自分の人生なのに、「主導権を取り戻す」とはどういうことなのでしょうか? 著者によればそれは、自分を世間からコントロールする方法。

コントロールが効いていない状態というのはすごく危険です。(中略)あちこちに流されるし、どこへ進んでいいのかさっぱり分からなくなって、恐怖も倍増。だけどそこに、サーフボードがあれば荒波を楽しむことができます。(中略)もちろん、人生に「これが正解!」というものはないです。だけど、何か不安に感じていることがあるときや、戸惑っていることがあるときに「こんな話もあったな」程度でいいから、この本に載っていることをヒントにしてみて欲しいです。(「prologue」より)

chapter 3「止まっているときよりも動いているときの方が雨風は強く感じられる。だけど、それこそが動いている証拠なんだ。上手に切り抜けて、まだ見たことのない世界へと進んでいこう。」から、いくつかを引き出してみたいと思います。


がむしゃらより効率よく終わらせよう


「がんばって仕事をしているのに評価されない」「クリエイティブを続けているのに、世間が振り向いてくれない」などと感じることは、少なからずあるもの。しかしそんな状態が続くと、人生の主導権はどんどん自分のなかから離れていくといいます。そして著者は、がんばることを否定はしないけれども、「がむしゃらな姿勢」だけで評価される時代は終わってしまったとも指摘します。

いまは、知識の詰め込みではなく、知恵が大切な時代。そして、そんななかで求められるのは、知恵を使った「効率」だというのです。いままでであったら、「1万時間かけてでもおぼえろ」という方向性だったものが、「おぼえなくてもいいから、調べながらでもいいからやって」というように、知識から知恵へと変わってきたということ。そして、知識から知恵の時代に変化したのだから、頭をしっかり動かして、「終わらせること」を意識し、効率よく時間を活用することが大切だというわけです。

でも「効率よく」というのは、決して難しいことではないといいます。ただ単純に、「終わらせること」を意識すればいいだけだから。これは特に、新社会人が気をつけるべきポイントだといいます。

仕事のやり方も、成果をどうアピールしたら良いのかもわからない新社会人は、とりあえず「がむしゃらな姿勢」だけを見せがち。しかし「2時間しか寝てない」というような自虐的アピールよりも大切なのは、仕事に取り組む前に「どこまでやれば終わりなのか」をきちんと確認しておくことだというのです。

そして「効率よく」は、人生の時間配分においても大切だと著者。仕事も人生も、いつかは終了するもの。がむしゃらにやるだけではなく、効率よく終わらせて達成感のある人生にすることが重要だということです。(189ページより)


みんな教に惑わされないようにしよう


24時間いつでもインターネットにアクセスでき、SNSを使っているのが当たり前の時代になり、「みんな」という存在がとても大きくなりました。「みんなから『いいね!』されたい」など、多くの人が「みんな」を意識して行動するようになったということ。

しかし「誰か」ならともかく、「みんな」は自分がつくり出した幻想だと著者はいい切っています。「誰か」のことは考えるべきだけれど、「みんな」のことは考えなくてもいいとも。なぜなら、自分が思っているほど、人は自分のことを見ていないものだから。

誰かのためには、頭を使ったり悩んだり行動したりするべき。けれど、「みんな」のためにする必要はないということ。多様性の時代にあって、「みんな」の意見に耳を傾けるのはあまりに非効率。自分の人生において、まわりの意見を平等に考えなくてもよいということです。

「みんな」のことを考えて行動するのは、その他大勢・エキストラと同じだと著者は主張しています。他人の人生の脇役ではなく、自分の人生の主役を演じるためには、「みんな」とは距離を置くことが大切だということ。考えるのは、「誰か」のことで十分だというわけです。そして心の隅に置いておくべきは、「みんな」なんて、本当は存在していないということ。(203ページより)


誘われたとき加わらない勇気を持とう


気乗りしないイベントや飲み会の誘いは、勇気を持って断ることが大切だと著者はいいます。そこにあえて加わらず、自分が思うままに、自分だけの時間を過ごしてみることが大切だというのです。また、誰かに学ぼうとするならば、その師匠・先生がどんなタイプなのか見極めることが重要。ちなみに先生には、パンダ、オオカミ、負け犬の3タイプがあるのだそうです。

パンダタイプは、業界でも有名な「成功している先生」。意識すべきは、パンダはかわいいけれど、パンダでしかないということ。クマは途中からパンダにはなれないので、あまり参考にならない存在だというのです。ただし、その世界を知るためには刺激にはなるとか。

オオカミタイプは、世間の知名度は低いけれど、教育者というプライドを持っていて、テクニックや豊かな人間性がある、尊敬できる対象。そして負け犬タイプは、「成功できなかったから先生になった」「食えなかったから先生になる」という人。

それぞれタイプが異なるわけですが、1.パンダタイプから刺激を受けて、2.オオカミタイプからテクニックを教わり、3.負け犬タイプには関わらないのがいちばんだと著者はアドバイスしています。(216ページより)


手段と目的と初期衝動を大切にしよう


たとえば3カ月おきなどの定期的なタイミングで、自分がいまやっていることは「手段と目的」がズレていないか確認しようと著者は提案しています。たとえば、「生活のために仕事をしているのか、仕事のために生活をしているのか」「一緒にいたいからつきあっているのか、つきあっているから一緒にいるのか」「学生だから勉強しているのか、勉強するために学生でいるのか」など。

手段と目的を明確に意識しておけば、他人や世間に惑わされる危険性や、うっかり道に迷ってしまう危険性を減らすことができるわけです。また、目的が明確にあれば、手段をいろいろ切り替えることが可能になります。

生活のための仕事なら、生活のコストを下げたり、副収入のことを考えることが可能。仕事のために生活しているなら、会社の近くに引っ越したり、ちょっといいスーツを買ったり、恋人や親にもそのことをしっかり伝えておけるわけです。

ところが、そこが曖昧だと、中途半端な場所に中途半端に高い家賃の家を借りてしまい、着ることのない洋服を買ってしまい、恋人や親から将来のことを面倒くさくたずねられてしまうというのです。

いいかたを変えれば、この「目的」こそが、自分自身の芯となり、キャラクターをつくり上げていくということ。手段を伝えても、キャラクターは伝わらないもの。「会社員をやっています」「大学に通っています」というよりも、「大きな家に住みたいので仕事しています」「将来は司法書士になりたいので勉強しています」と伝えるほうがわかりやすいということ。

とはいっても、決して「すべて目的を定めてからスタートしたほうがいい」というわけでもないそうです。逆にそこで目的を考えすぎるばかりに、初期衝動的な勢いを失ってしまうのはもったいないから。ただ、いろんなタイミングで「いまやっていることは手段なのか、目的なのか」を考えるべきだということ。(231ページより)


人生に主導権を取り戻してみよう


冒頭で「主導権を取り戻すとは、自分を世間からコントロールする方法なのだ」という言葉を紹介しました。そして著者はここでふたたび、そのことについて詳しく書いています。人生の主導権は、自分の人生を本当に自分自身で楽しみ、苦しみ、考えながら生きていくために必要だというのです。

昔であれば、毎日がんばってしごとをしていれば、自然と給料は上がっていきました。しかし、いまはそういう時代ではありません。では、現代は「かわいそうな時代」なのか? 老人たちが勝ち組で、私たちは老人に搾取されるだけの負け組なのでしょうか? この問いに対して著者は、そうは思わないと主張します。それどころか、「いつだって明日の方が優れている」とすらいうのです。

たとえば昔は、結婚や離婚はいまほど自由ではありませんでした。会社を辞めること、起業すること、株を買うことなど、ひとつひとつが大変でした。それどころか、海外旅行すら簡単なことではありませんでした。対して、いまはたくさんの自由がある時代だという考え方です。

しかし、自由であるがために方向性を見失ってしまったり、誰かに勝手に方向を定められてしまう恐れがあるのも事実。だから、それをコントロールする。それが、人生に主導権を取り戻すということだというのです。

これから先、確実にやってくるのは「単純労働に価値がなくなる時代」。「動くだけの労働」の価値が、確実になくなるわけです。「体力はあります! なんでもやります!」だけでは、仕事にありつけない時代が近づいているということ。だとすれば、さらに知恵が求められるようになるのは当然です。だからこそ、これからの人生を不幸なものにしないためにも、人生に主導権を取り戻しておくことが大切だという考え方です。(237ページより)




「俺」口調で書かれている内容は、講義の内容を再現したものだというだけあってとてもシンプル。著者の話を聞いているような感覚で、肩肘を張らずに読み進めることができると思います。


(印南敦史)

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