足立朋子
2016年3月30日06時41分
昨年、照明機材が盗難に遭い、ライトアップが中止された神奈川県平塚市の桜の名所、渋田川で、今年も河川敷の倉庫から電線などが盗まれていたことが分かった。しかもこの電線は、昨年の盗難を知った福島県の商店主らから寄贈されたもの。手弁当で運営する地元住民らは「腹立たしさを通り越して情けない。福島の方々に合わす顔がない」と肩を落としている。
このライトアップは、住民らの実行委員会が毎春開催している「渋田川桜まつり」の事前イベントで、祭り当日までの5日間、川の両岸約400メートルの桜並木を、夜間にちょうちんや投光器で照らしている。今年は30日から4月3日まで予定されており、準備のために集まった住民が27日、河川敷にあるコンテナ倉庫のカギが壊され、電線約1600メートルがなくなっているのに気づいた。
実は昨年も2月下旬に電線約2400メートルと草刈り機などが盗まれているのが発覚。ライトアップの中止に追い込まれたことが全国に報道され、福島県喜多方市の商店街が寄贈してくれた中古の電線を、この倉庫に保管していた。
「扉を二重にし、かぎを頑丈なものに取り換えたのに、やられてしまった」と地元協議会会長の岸文雄さん(73)。急きょ約16万円をかけて電線などを新調。新たに警備会社に夜間の巡回も依頼して祭り準備を終えたものの、「もう勘弁してほしい」とがっかりだ。
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朝日新聞社会部
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