ペットショップや猫カフェが法規制を受けて、夜遅くまでの営業が不可能になるか否かという話題を耳にして久しいですが、現状はどうなっているのでしょうか。
端的に申します。H28/3/30現在、
猫カフェは22時まで営業可能です。
本来であれば展示動物を利用した営業は20時までという規制を受けていますが、平成28年5月31日までは経過措置がとられ、営業時間の延長を許されています。
以下、猫カフェに関連する事項を綴り、私見で記事を締めます。
まずは動物愛護法について簡単に調べてみました。
動物愛護法
動物の愛護及び管理に関する法律(どうぶつのあいごおよびかんりにかんするほうりつ、昭和48年10月1日法律第105号)は、動物の虐待等の防止について定めた法律である。略称は動物愛護法。
- 動物愛護
- 動物管理
を目的として作られた法律です。
愛護は動物の虐待・遺棄防止、管理は人間への脅威を防ぐ目的があります。
こちらが条文。
猫カフェなど展示動物の夜間展示規制の法的根拠は、ここにあります。
猫カフェとは、歴史など
猫カフェ(ねこカフェ)、猫喫茶(ねこきっさ)とは、室内に猫を放し飼いにし、猫とふれあう時間を提供する業態の喫茶店
(中略)
台湾・台北市で1998年に開店した「猫花園(貓花園)」が世界初の猫カフェとされ、日本では2004年に開店した大阪市北区の「猫の時間」が国内初であるとされる
日本初とされる猫カフェ情報のソース(情報元)については記事が削除されていまししたが、同事業所のHPには「日本初の猫カフェ」と掲げられています。
これが事実だとすれば、わずか10年で全国へ広まった、ということになります。
猫カフェ統計
※平成25年10月末のデータ
全国225店舗中
営業時間
開店時間
閉店時間
飼育頭数
業種別店舗数割合
都道府県猫カフェ店舗数ランキング
参照:http://www.env.go.jp/council/14animal/y140-41/mat02.pdf
次に、動物愛護法を所管する環境省のHPから資料を参照し、猫カフェに対する法規制の緩和措置などを簡単に記してみます。
夜間展示規制の簡単な経緯
- H24/1/20法改正 「展示動物は20:00~8:00まで展示NG」
- 猫カフェは情報が少ないので2年間、経過措置を設ける
- 1歳以上の猫は22:00まで展示OK、その間に調査しよう
- 2年間のうちに色々と調査する
- まだ調査足りない→経過措置をさらに2年延長
- H28/5/31で経過措置が終わる予定
- 今後どうなる?
出展:http://www.env.go.jp/council/14animal/y140-42/mat02.pdf
私見
僕の実家では猫を飼育しているので、気が向いたときに触れ合いに行けます。ですので、いち利用者として猫カフェ規制が進むことに、危機感を感じておりません。
しかしながら、身内にも知人にも猫を飼育している方がおらず、それでも猫を愛し触れ合いたいと考えている方にとって猫カフェはなくてはならないものでありましょう。そういったことを考えると、一様に全体として規制するのはいかがなものかなと感じます。
事業者にとってみれば死活問題でしょうね、会社帰りのお勤め人客層が離れてしまうのは必至でしょうから。かといって土日営業に力を入れるにしても、時間的に限度はあると思います。
識者やお上の焦点は「猫にどれほどのストレスがかかっているか」という部分のようですね。糞便からコルチゾールを抽出し、ストレスを指標化して調査する必要がある、との意見も出ています。これで客観的な数値が弾き出され、規制するにしてもしないにしても、納得できる要素になれば良いのですが。
これら具体的意見が出たのはH27/3のことですから、現段階で調査が滞りなく進んでいるとは思えません(お役所のやることですので...)。
予想としては22時規制はさらに2年間延長され、そこから具体的な調査が進み、H30に規制するか否かの明確な方針が打ち出されるのではないでしょうかねぇ。
この間に各展示事業者は生き残りをかけて経営方法の多角化を考えていかねばならないのではないでしょうか。早ければ今年の6月に経過措置が解かれ、全国の猫カフェ閉店時間が一律20時になってしまうかもしれないわけですからねぇ。
※統計データを見る限り、20時で閉店している事業所が多いですね。法規制を受けても、経済的に影響されぬような戦略をすでに練っているところもありそうです。
第二条
動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。
動物愛護法第二条の〈基本原則〉引用です。
法の趣旨を鑑みれば、猫のストレスを科学的に立証し、規制の対象とすることは自然なことといえます。「その習性を考慮して」が肝ですね。
人間の営利ありきで物事を考えることを避け、法の趣旨から外れぬよう、愛すべき猫だからこそ真剣に検討していかねばならない事項なのであろうと考えます。
猫が大好きな人は「猫が活発になる20時から規制とは何事だ!」って怒りも沸くでしょうし、その気持ちも解らないでもないのですが...どうしても感情論では、法規制というのは考えられないものですからね。ここは割り切って客観的事実に基づき、物事が進むことを是とすべきでしょう。
猫好きの立場としては、調査結果が猫にとって芳しいものであり、科学的に営業しても良い旨の裏付けがとれること。そして全国の猫好き猫カフェ好きが会社帰りに大手を振ってかわいい猫と触れ合えることを願うばかりです。
どうなりますかね、20時規制の今後の行く末は...
関連記事