記事詳細
【松本浩史の政界走り書き】
大阪都構想 橋下氏の強気な手法が挫折につながる皮肉
なりふり構わず突き進む突破力も、行き過ぎると確執ばかりが増幅し、こうと信じる理念の実現がかえって遠のく-。大阪府と大阪市を統合・再編する大阪都構想をめぐり、ここのところの橋下徹大阪市長(大阪維新の会代表)の行状をみるに、そんな印象を受ける。もう少し、周りに気配りしてはいかがか。
都構想は、橋下氏にとって、「一丁目一番地」の最重要課題といってよい。水道事業など二重行政の解消を視野に、知事時代の22年に提唱し、23年の知事・市長のダブル選でも前面に打ち出して圧勝した。
既得権益層を攻撃対象に、歯にきぬ着せず言うべきは言い、一歩も引かない橋下氏の強気な改革姿勢が国民的人気を呼び、橋下氏との連携含みで国政政党も都構想を後押しした。
大阪など10政令市を対象に、東京23区のような「特別区」の設置を可能とする大都市地域特別区設置法が、当時与党の民主党をはじめ、自民党、公明党などの賛成多数で24年に成立している。