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 仙台市青葉区一番町の老舗書店「金港堂」は、中学生向けの生徒手帳発行の宮城県内最大手だ。胸ポケットに収まる80ページ足らずの手帳には、生徒としての心構えや県の概況などのほかに、いじめの相談先の電話番号や、地震時の安否確認方法など、時代を反映した項目が収録されている。

 金港堂が生徒手帳を最初に発行したのは1949(昭和24)年で、国内有数の歴史を持つ。戦前から教科書を販売しており、学校とのかかわりが深かったことから、手がけるようになった。

 保存されている最も古い手帳は、1950年発行のものだ。毎月の計画や反省、読んだ本を生徒が書き込むだけではなく、身体検査の結果や教師が記入する「学習成績の発達記録」(通信簿)欄や、学校に納入する経費の集金記録のページまであり、さまざまな役目を担っていた。

 大きさは当初、週刊誌の半分のB6判だった。1962年に今と同じA7判になり、胸ポケットに入れて持ち歩くことが可能になった。このころから最終ページが顔写真をはる身分証明書欄になり、手帳にビニールカバーがかけられるようになった。