RANKING
ROMANIAN CAM GIRLS

電脳苦界に生きるルーマニアの女たち

男たちの欲望を満たすためにカメラ越しに服を脱ぐ女たち。なかでも東欧美女の産地として名高いルーマニアは、カムガールの一大供給地として、今世界中の男たちの熱い視線を浴びている。大金と喝采と罵声を一身に浴びる彼女たちの生きざまをGQが現地からレポートする。

Words: Matteo Fagotto Photos: Matilde Gattoni Translation: Machikane Ottogiro

アリアンナが、顧客に対して投げキッスをしている。

カーテンが閉じられたルーマニアの屋敷

美しく青きドナウが黒海に注ぐルーマニアの西部、吸血鬼伝説でも名高いトランシルヴァニア地方。この地方最大の都市ティミショアラは国内第4位の人口を擁し、歴史的にハンガリーやハプスブルク帝国との関わりも深い国際色豊かな街だ。その都市郊外の高級住宅地にたつ3階建ての美邸は、プールや庭園に囲まれて、まわりの景観にいかにも調和したたたずまいであるかに思える。しかしひとつだけ気になるのは、窓やカーテンがずっと閉じられたままで、午前中はひっそりと静まりかえっていることだ。けれども正午ともなると、いわくありげなBMWのSUVが門前にすっと止まり、若い美女たちをいっせいに吐き出す。すると、この邸内ではまた別の一日がはじまるのだ──現代社会でもっとも謎めき、巨万の富を生み出しもする、ある産業セクターを舞台として。

25歳のカリーナは、男心をくすぐる笑顔と、引き締まったカラダの持ち主。邸内に入るや、そそくさと上階の自室に向かう。パープルカラーのソファに、白いベッド、高速回線接続のコンピューターのあるその部屋で、彼女はメイクにたっぷりと時間をかける。そして黒いランジェリーに、クリーム色のスカートスーツをまとうと、PCの電源を入れ、Webカメラの向きを調整して、アダルトサイトにログインするのだ。

わずか数分でカリーナのビデオチャット・ルームには世界中の男が詰めかけ、脱いでよ、お願いだから、と口々に懇願しはじめる。カリーナはそれに応じず、ジョークではぐらかしたり、カメラの前で身をくねらせて踊ってじらしたりするばかりだ。するといきなり、ポップアップウィンドウがほわんと立ち上がり、ひとりのユーザーが単独セッションのための課金を開始した旨が通知される。そしてチャットのやり取りを何分か続けたあとで、男はとうとう、僕のために脱いでくれないか、と要望を切り出した。いいわ。カリーナは答え、ゆっくりと時間をかけて服を脱ぎ、セクシーな言葉をつぶやきながら、ストリップショーを男に見せつける。そうして彼女は全裸になると、引き出しからディルドを取り出し、それを手で包み、指を這わせてから、みずからの指で秘所を慰めはじめて、男の歓喜をかき立てる。それから数分間、男女のため息とうめき声が次第に高まり、やがてお互いが絶頂に達すると、男は感謝の言葉をつづり、そそくさとチャットから退出した。カリーナは丸裸のままでタバコに火をつけ、自分のプロフィールページを開いて、稼ぎのほどを確認する。25分間のショーに先ほどの男が費やしたのは110ドル。「詳しくは知らないけど、いいお客さんなの」と、カリーナは煙をぷわっと吐き出す。「彼はアメリカ人で、月に5回くらい来てくれるわ」。

次のページ平均月収の3倍以上も稼ぐルーマニアのカムガールたち

COLUMNトップCOLUMNトップ
from WIRED
PAGE TOP