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【社会】

施行の安保法廃止求める 声を上げよう 私にもできる

◆「T−ns SOWL」鈴木あいねさん(17)

 「施行されたって私たちは政権の横暴を忘れません」。安全保障関連法が29日に施行され、安倍晋三首相はいよいよ改憲に踏み込もうとしている。しかし、この動きに抵抗する人々は、声を上げることをやめない。今夏には、平和憲法の行方に大きな影響を及ぼす可能性がある参院選がある。安保法の廃止を求め続けている人たちに「私たちができること」を聞いた。 

 おかしいと思ったら意思表示しなきゃいけないんだ。それを教えてくれたのはデモでした。

 二年前の十二月、特定秘密保護法に反対する官邸前の抗議デモに参加しました。一人一人が怒りの声をぶつけていて、その熱気に圧倒されました。それから安保法反対のデモに通うようになり、昨年七月に同世代の仲間たちと「T−ns SOWL(ティーンズ・ソウル)」というグループをつくりました。

 そのころ、安保法案の強行採決をめぐり、菅義偉(すがよしひで)官房長官が「連休を過ぎれば国民は忘れる」と発言したことに、腹が立ちました。

 私たちは成立後も廃止を訴え、毎月のように渋谷や原宿での路上デモや、勉強会を開いています。夏の参院選から十八歳以上も投票できます。若者の政治への関心が高まると期待しています。

 参院選を前にティーンズ・ソウルで、「とりまUNITE(ユナイト)」というキャッチフレーズをつくりました。「とりあえず、まずは団結しようよ」という意味です。

 政治を考えることは自分の生活を守ることと同じだと思うんです。だからこそ声を上げることが大切。それをみんなにも知ってほしい。私はこれからも路上に立つし、放課後とかには友達に声をかけるし、ツイッターで発信していくつもりです。団結しようよ。 (聞き手・中沢誠)

◆「ママの会@東京」西川彩さん(37)

 ママの会は毎週金曜日に国会前で「ママは戦争をさせない」などと声を上げています。これは、国会議員にだけ訴えているのではない。国会には毎日、何百人って小中学生が見学に来る。彼らに呼び掛けているのです。数%の子でも、家に帰って「国会の前でこういうことがあった」と家族と話してくれたらいいと思います。

 子どもたちに「平和ってなんだろう」と考えてもらい、それを絵にしてもらう「おえかきピース」というプロジェクトも昨年十二月から始めました。作品をまとめて絵本にしたい。その本を手にした人がまた、平和について考えてほしい。

 小学生だって十年後には多くが有権者。私たちは未来の有権者に訴えているんです。

 もちろんそれだけではありません。今夏の参院選も大切です。改憲派政党が憲法改正の発議ができる三分の二を占めるのを阻止しないといけない。そのためには、投票率を上げないと。

 デモや集会に参加し慣れた人でなく、声を上げたいのに上げられない人、本当は関心があるのに無関心なふりをしている人にどう呼び掛けるか考えることが大切だと思います。

 政治は生活に直結する。ママの視点から関心を持つことは多い。例えば「大学の学費はなんでこんなに高いの?」「生活が良くならない。アベノミクスはどうなっているの?」など。身近な問題でも声を上げていきたい。(聞き手・飯田孝幸)

 

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