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静岡サクラエビ 今年もピンチ◆春漁1日解禁「とりすぎないで」駿河湾特産のサクラエビの春漁が4月1日夜に解禁されるのを前に、過去の漁獲量のデータなどから、今季のサクラエビの資源量は「低水準」と分析する見通しを、県水産技術研究所(焼津市)が示した。漁業者には現状を上回る漁獲を避けるよう提言しており、ここ数年続く不漁に関係者は不安を募らせている。 昨年の春漁の漁獲量は六百二十二トン、秋漁は三百八十四トンだった。春と秋を合わせた年間漁獲量は千六トンと、過去四十年間で四番目に少なかった。サクラエビの年間漁獲量は、二〇〇九年から千トンほどで推移。過去四十年の平均は二千トン余りで、半分近くに減った。研究所は駿河湾でのサンプル調査の結果から、サクラエビの産卵量も以前より少なめだと推定している。 研究所は二月下旬と三月上旬、漁業者らを対象に説明会を開いた。資源海洋科の小林憲一上席研究員は「資源量の回復を目指すには現状の漁獲量を維持するか、それ以下に抑える必要がある」と話し、今春の漁獲量も近年の水準を上回らないように提言した。
今春の漁期は四月一日に始まる。夜になると深海から浅い海域へと浮上してくるサクラエビの群れを狙い、二隻一組で並んで網を引く。六月七日夜まで、由比港漁協(静岡市清水区)と大井川港漁協(焼津市)に所属する漁船が操業する。 昨今の不漁について、由比港漁協の宮原淳一代表理事組合長(75)は「海に出てみないと漁獲量が分からない」と不安を漏らす。「本来、春は由比から沼津口にかけてよく捕れていた。だが、五年ほど前から御前崎の辺りにばかりサクラエビが集まっているのが気になる」とこぼしつつも「関係者一同で危機感を共有し、少ない資源の中で何とかするしかない」と話す。 「原料の高騰につながり、販売可能な量が限られてくる」と訴えるのは静岡市清水区の水産加工・販売会社「友和丸」の湯浅好裕社長(36)。「でも地元で商売している身としては、駿河湾のサクラエビにこだわりたい思いが強い」と胸の内を明かした。 (西山輝一、西田直晃) PR情報 |
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