FRB議長 追加利上げは慎重に判断

FRB議長 追加利上げは慎重に判断
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アメリカの中央銀行に当たるFRB=連邦準備制度理事会のイエレン議長は29日、ニューヨークで講演し、焦点となっている追加の利上げについて、減速する中国経済と原油安の行方を見極めたいとして慎重に判断していく考えを強調しました。
ニューヨークで講演したFRBのイエレン議長は、去年12月、9年半ぶりとなる利上げに踏み切ったあと、2回続けて追加の利上げを見送ったことについて、中国経済の減速と急激な原油安で金融市場が大荒れになったことから利上げのペースをいくぶん遅らせる必要が出てきたためだと説明しました。
そのうえでイエレン議長は「先行きへのリスクを考慮すると、追加の利上げは慎重に進めることが適切だ」と述べて、これから発表される経済指標などを踏まえて慎重に判断していく考えを強調しました。
この発言のあと、ニューヨーク株式市場は追加の利上げはしばらくないという受け止めから買い注文が広がり、29日のダウ平均株価は前日より97ドル72セント高い1万7633ドル11セントで取り引きを終えました。
市場関係者は「年始から続いた金融市場の混乱がひとまず落ち着き、アメリカの経済指標も改善が続いたため、早期の追加利上げを意識する投資家が増えていたが、イエレン議長の発言を受けて遠のいたという見方が広がった」と話しています。