使用済み核燃料 乾式貯蔵で交付金を増額
原発で出る使用済み核燃料について、国はプールの水につけて貯蔵する従来の保管方法よりも安全性が高いとされる「乾式貯蔵」という方法の導入を進めようと新年度から乾式貯蔵をする原発がある地元の自治体への交付金を増額することを決めました。
全国の原発にはおよそ1万5000トンの使用済み核燃料が一時的に保管されていて、その97%はプールの水につけて貯蔵する方法が取られています。国や電力会社はより安全性が高いとされる金属製の容器に核燃料を入れて冷やす「乾式貯蔵」という方法の導入を進めていきたい考えですが、地元の自治体には新たな設備を整備すればなし崩し的に長期間、留め置かれるという懸念があり、進んでいません。
こうしたなか、国は地元の自治体に対して保管方法にかかわらず使用済み核燃料1トン当たり年間40万円出していた交付金の額を新年度からプールの場合は30万円に引き下げる一方、乾式貯蔵の場合は60万円に引き上げて2倍の差を設けることを決めました。
新しい交付金の仕組みは来月1日に官報に掲載され、国と全国の電力会社は増額する交付金をてこにして地元の自治体に乾式貯蔵の導入への理解を求めていくとみられます。
こうしたなか、国は地元の自治体に対して保管方法にかかわらず使用済み核燃料1トン当たり年間40万円出していた交付金の額を新年度からプールの場合は30万円に引き下げる一方、乾式貯蔵の場合は60万円に引き上げて2倍の差を設けることを決めました。
新しい交付金の仕組みは来月1日に官報に掲載され、国と全国の電力会社は増額する交付金をてこにして地元の自治体に乾式貯蔵の導入への理解を求めていくとみられます。
97%はプールで貯蔵
全国の原発で保管されている使用済み核燃料はおよそ1万5000トンに上りますが、そのうちの97%はプールの水につけて貯蔵する方法が取られています。
しかし、5年前の福島第一原発事故ではプールの冷却機能が失われ、水が蒸発して核燃料が露出するおそれが懸念されました。事故直後には自衛隊のヘリコプターによって上空から水を投下したり、消防車を使って地上から放水したりするなど、想定されていなかった緊急の作業が必要になりました。
当時、福島第一原発では使用済み核燃料の一部を金属製の容器に入れる「乾式貯蔵」という方法で保管していました。こちらは貯蔵建屋が津波に浸かったものの深刻な事態には至りませんでした。
原子力規制委員会の田中俊一委員長は「乾式貯蔵」のほうが安全性が高いという見解を示していますが、現在、この方法を採用しているのは2つの原発だけで、貯蔵されている使用済み核燃料も全体の3%未満のおよそ410トンにとどまっています。
しかし、5年前の福島第一原発事故ではプールの冷却機能が失われ、水が蒸発して核燃料が露出するおそれが懸念されました。事故直後には自衛隊のヘリコプターによって上空から水を投下したり、消防車を使って地上から放水したりするなど、想定されていなかった緊急の作業が必要になりました。
当時、福島第一原発では使用済み核燃料の一部を金属製の容器に入れる「乾式貯蔵」という方法で保管していました。こちらは貯蔵建屋が津波に浸かったものの深刻な事態には至りませんでした。
原子力規制委員会の田中俊一委員長は「乾式貯蔵」のほうが安全性が高いという見解を示していますが、現在、この方法を採用しているのは2つの原発だけで、貯蔵されている使用済み核燃料も全体の3%未満のおよそ410トンにとどまっています。