中国メディアは28日(現地時間)、昨年11月から発行されている中国の新100元札(約1700円)の偽札が初めて見つかったと報じた。メディアは、中朝国境地域を中心に広く流通している偽札が「北朝鮮製」である可能性もあると伝えている。
中国中央テレビ(CCTV)などによると、浙江省紹興市の銀行が先ごろの偽札1枚を発見し、当局に届け出た。CCTVは「金融機関が新100元札の偽札を初めて見つけた」と伝え、偽札を見分ける方法を詳細に説明した。ただ、この偽札がどういうルートで同行に入金されたのか、どれほど精巧にできているのかなどについては明らかにしなかった。
新100元札には、表側の中心にある「100」の数字が光の角度によって金色に見えたり緑色に見えたりする偽造防止技術が施されている。
一方、中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報(電子版)は、中国で近ごろ流通している偽札が北朝鮮で製造された可能性を指摘している。遼寧省大連市の公安局が2010年11月、オンラインで流通する北朝鮮製の偽札に対する警告文をホームページに掲載して以降、江蘇省南通市でも北朝鮮製の偽札が見つかったと報じた。
また、北朝鮮が製造した偽札は過去に見つかった台湾製の偽札よりも精巧にできており、一般人が肉眼で真贋を見分けるのは不可能で、偽札鑑別機でも識別が難しいため注意する必要があると強調した。
北朝鮮製の偽札は色合いや手触り、透かし、点字などが本物の紙幣とほぼ同じに作られており、北朝鮮の観光客や商人を介して中国に流通している。
北朝鮮はかつて「スーパーノート」と呼ばれる100米ドル札(約1万1000円)の偽札を作っていたが、これも専門家でなければ見分けがつかないほど精巧だった。