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[オピニオン]燃える木曜日

Posted March. 29, 2016 07:17,   

Updated March. 29, 2016 07:24

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米歌手ダニエル・ブーンの「ビューティフルサンデー」は、70年台80年台に青春を過ごした人の心に深く刻まれた思い出のポップソングだ。美しい日曜日には彼女に愛を告白するという純真な内容が込められている。キャッチーなギターの伴奏に、「ハ〜ハ〜ハ〜ビューティフルサンデー」のように単純かつ繰り返される歌詞で、厳格な学校生活に抑圧されていた丸坊主の男子高校生やおかっぱの女子高生から大変愛された。ラジオのDJたちは週末が近づけば、雰囲気を盛り上げようと頻繁に流した。歌曲「おはよう」の歌手・チャン・ミファが1974年に発売したアルバムに、この歌のカバーを収録したことでさらに有名になった。

◆2000年代に入ってから週休二日制が定着したが、その前から人々は土曜日に週末の雰囲気を楽しんだ。1987年、歌手キム・ジョンチャンの「土曜日は夜が好き」という歌謡がヒットしたことだけを見てもわかるだろう。あの時は、土曜日になればナイトクラブに詰めかけてきた若い男女たちが、「愛惜を置いて行かないで、土曜日は夜が好き」と声を限りに叫んだ。夏場の海辺の楽しい空気を盛り上げるのにも大きく役立った。

◆週末の始まりが週休二日制の定着を機に、金曜夜に固まった。「プルグム(燃える金曜日)」が登場したのだ。金曜夕方と深夜を飲酒歌舞で楽しむプルグム文化が、弘益(ホンイク)大学前や梨泰院(イテウォン)で花を咲かせた。「花に十日の紅なし」でもあるまいが、ライフサイクルの変化を受け、「プルグム」が「プルモク(燃える木曜日)」に徐々に押されているという。新世界(シンセゲ)やロッテ、現代(ヒョンデ)などの国内デパート各社が31日、定期セールに突入する。金曜からセールを開始していた慣行が半世紀ぶりに崩れた。流通業界だけでなく、映画公開や旅行パッケージツアーも、「プルモクマーケティング」に一役買っている。

◆若い会社員たちは、会食の日を決める時、金曜日よりは木曜日の夕方を圧倒的に好む。週末を二日酔いの後遺症に苦しみながら無駄遣いするより、一週間を締めくくる癒しの時間に全て使いたいという気持ちからだ。それにつられて、飲食店や飲み屋も木曜日がにぎわっている。「プルルグム」のせいで起きたタクシーの乗車難が少し改善するのではないだろうか。青年失業率が12%を突破し、プルグムであれ、プルモクであれ、「燃える夜」は、自分には縁のないことだと思いがちな青春があまりにも多いそうで、なんとなく気持ちが落ち込む。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com