安保関連法 廃止求める人たちが国会前で集会

安保関連法 廃止求める人たちが国会前で集会
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憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法の施行を受け、安保法の廃止を求める人たちが29日夜、国会前で集会を開いています。
国会前では28日に続いて29日も午後6時半から安保法の廃止を求める人たちが集会を開いていて、正門前の道路沿いの歩道には多くの人が詰めかけています。
主催者によりますと、午後7時半の時点で、およそ3万7000人が参加しているということで、「憲法9条を守れ」とか「誰も殺すな」などと書かれたプラカードを手に「戦争する国、絶対反対」などと声を上げています。
3人の孫がいるという千葉県の75歳の女性は「自分たちは親の世代に対して、なぜ、あの戦争を止められなかったのかという思いを持ってきました。だからこそ、孫や後世のために諦めず、これからも声を上げていかなければいけないと思います。法律は施行されましたが、みんなが力を合わせれば現状は変えられると思います」と話していました。
東京都内の大学に通う男性は「安保法が施行され、その怒りをどこにぶつけていいのか葛藤を感じています。憲法違反だと指摘されているうえに運用にも問題があると思うので心配です。SNSを通じて安保法には問題があると発信し続け、殺したり殺されたりするかもしれない法律だということに、多くの人に気付いてほしい」と話していました。
また、「日本を死なすな」と書いたプラカードを掲げていた埼玉県の50代の女性は、「法律が施行されたことで自衛隊員が傷つき、70年余り守られてきた日本の平和主義が殺されてしまうという思いで、ここに来ました。『戦争は嫌だ』という人たちに、この法律が戦争につながっていると気付いてもらいたい」と話していました

野党幹部も廃止訴え

民進党や共産党など野党4党の幹部が集会であいさつし、法律は憲法に違反し、立憲主義を踏みにじるものだとして、法律の廃止を目指していく考えを強調しました。
この中で、民進党の枝野幹事長は「集団的自衛権は憲法違反だと決めた解釈を、安倍政権は勝手に変えてしまった。一日も早く、この状況をただすことが立憲主義と民主主義の王道だ。遠回りをしても、時間がかかっても、われわれは立憲主義と民主主義を守る一点で最大限のことをやる。一人でも多くの皆さんに働きかけていくことで、日本の立憲主義と民主主義を守っていく」と述べました。
また、共産党の山下書記局長は「憲法の平和主義、立憲主義、民主主義を踏みにじる安全保障関連法が施行され、戦後初めて、自衛隊が殺し殺される領域に踏み込もうとしており、断じて許されない。安倍政権は独裁政治で主権者を踏みにじろうとしているので、主権者の手で止めなければならない。きたる参議院選挙で安倍政権を打倒し、『戦争法』を廃止していきたい」と述べました。