ホンハイ シャープの買収正式決定へ

経営不振に陥っている大手電機メーカー「シャープ」と台湾の大手電子機器メーカー「ホンハイ精密工業」は30日、それぞれ取締役会を開き、ホンハイによるシャープの買収を正式に決める方針で、当初の予定からおよそ1か月も遅れて交渉が決着する見通しになりました。
主力の液晶事業の低迷で経営不振に陥っているシャープは、先月25日の取締役会で台湾のホンハイ精密工業による買収の提案を受け入れることを決めました。ところが、シャープがその直前に突然3000億円に上る財務上のリスクについての書類をホンハイに示したことから、ホンハイはその内容を精査する必要があるとして、最終的な契約を見合わせていました。その後、黒字を見込んでいたシャープのことし3月期の営業損益が大幅な赤字に転落する見通しになりました。
これも踏まえて両社が交渉を続けた結果、ホンハイが予定どおりシャープの増資を引き受けて株式の66%を取得するものの、出資額は当初の4890億円から1000億円程度減らすことなどで合意しました。シャープとホンハイは、30日、それぞれ取締役会を開き、こうした内容を正式に決める方針です。
これについてホンハイは29日夜、声明を発表し、「30日に重大な発表を行う」と明らかにしました。また、シャープの主力銀行のみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行は新たに3000億円の融資枠を設けシャープを支援することにしています。
先月中の合意を目指していたホンハイによるシャープの買収交渉は、およそ1か月も遅れて決着する見通しになりました。