セキュリティやプライバシー問題に関する記事を執筆。この分野では2010年から有名誌にニュースや特集記事を寄稿している。フリーランスライターとしてThe Guardian、Vice Motherboard、Wired、BBC.comなど数多くのメディアに貢献してきた。様々な独占記事が評価され、2012年と2013年にはBTセキュリティ・ジャーナリスト・オブ・ザ・イヤーを受賞、2014年には米国政府によるセキュリティ・ハラスメントについての記事がベスト・ニュース・ストーリーに選出された。趣味や実益のためにハッキングを行うハッカーたちや、インターネットに潜む醜い真実を暴き出した研究者たちのストーリーに興味がある。データ漏えい問題も見逃せない。メールアドレスはTFox-Brewster@forbes.com。誰にも知られてはいけない秘密の情報をお持ちなら、PGPでご連絡を。フィンガープリントは1EF8 CD0E 342E 7C50 430B 1F87 14E4 1420 BBFB F0B4。
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iPhoneのロック解除に関してはアップルとFBIの対立が深刻化。アップルが協力を拒否する中、米司法省は3月21日、「ロック解除の手段を匿名の第三者から入手した」と発表していた。フォーブスの調査によるとセルブライト社によるロック解除にかかる費用は、わずか1500ドル程度で済む可能性もある。
セレブライト社のロック解除技術は昨年、イタリアで発生した事件の捜査で活用された実績がある。この事件でイタリアの裁判所はデジタル犯罪スペシャリストのマティーア・エピファーニ(Mattia Epifani)に協力を要請。エピファーニは自身では解除できないと判断し、セレブライト社に協力を依頼したという。
その結果、セレブライト社はわずか2日で解除に成功。エピファーニは「解除にかかった費用は1500ドル程度だった」と述べている。フォーブスはセルブライト社から発行された事前の見積もり書を入手。そこには彼の発言を裏付ける1500ドルの金額が記載されていた。
この件に関し、フォーブスはセレブライト社へ問い合わせを行ったが、コメントは得られていない。同社の技術が実際に、今回のカリフォルニア州の容疑者のiPhoneロック解除に有効であるのかは定かではない。イタリアの事件で使われたiPhoneは iOS 8で動作していたが、カリフォルニア州の容疑者の端末はiOS 9であり、ロック解除にはさらに高いハードルが存在する。
FBIは2013年の時点で、セレブライト社の暗号技術、UFEDの採用に関する契約を締結していた。このテクノロジーはiOSを含む、広範囲なモバイル端末の解析に適用可能とされていた。