韓国「お家芸」半導体、チャイナマネーで韓中の技術格差が縮小

 半導体専門家は「中国の半導体分野の技術力がサムスン電子やハイニックスに2-3年遅れてはいるが、低価格家電やスマートフォンに搭載する半導体は十分に生産能力がある。中国が低価格半導体市場から攻略し、市場を侵食してくるとみている」と分析した。

 中国政府も半導体産業の育成に向けた具体的な計画を実行に移している。代表例は中国政府が昨年3月に発表した「中国製造2025」だ。半導体を中国の未来の主力産業として育成するため、中国国内で生産する電子製品の完成品の部品国産化率を画期的に高めることをうたっている。言い換えれば、中国で電子製品を生産するならば、国産半導体を使えという意味だ。

 「中国製造2025」の設計者である清華大の柳百成教授は「単純な半導体生産ではなく、半導体の設計、開発、生産、パッケージングなど全工程で独自の技術力を確保するのが目標だ」と説明した。

■提携と外部人材誘致で技術格差縮小

 中国は外国企業との提携や外部からの人材輸入を通じ、韓国企業との技術格差を縮小する構えだ。中国のIT企業は最近、政府の支援を受け、さまざまなプロジェクトを推進している。安徽省合肥市政府は日本のエルピーダメモリで最高経営責任者(CEO)を務めた坂本幸雄氏が設立したサイノキング・テクノロジーと手を結んだ。

 また、半導体世界首位のインテルが「技術流出を懸念し、米国以外では最新鋭の半導体を生産しない」という不文律を破り、大連市にNAND型フラッシュメモリー工場を設置するのも同じ理由からだ。このほか、スマートフォン向けアプリケーション・プロセッサー(AP)首位の米クアルコムは、中国の中芯国際集成電路製造(SMIC)、華為技術と合弁会社を設立した。人材誘致にも多額のスカウト費用をかけている。半導体業界によれば、中国企業は韓国、台湾の半導体技術者を迎えるため、「年俸5倍、3年間保証」という破格の条件を提示しているという。

 韓国の半導体業界幹部は「韓国、台湾の半導体工場周辺には中国のヘッドハンターが常駐しているほどだ」と話す。ソウル大電気情報工学部の李宗昊(イ・ジョンホ)教授は「中国が世界的な企業の技術力まで確保するならば、韓国にとって大きな脅威になる。韓国企業が技術格差を維持できなければ、少なくとも低価格市場は予想よりも早く中国に食われることになりそうだ」と予想した。

カン・ドンチョル記者
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