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【外交・安保取材の現場から】3・29安保法施行 でも駆け付け警護や米艦防護など重要任務は先送り…ホントにこれでよいのか?

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【外交・安保取材の現場から】
3・29安保法施行 でも駆け付け警護や米艦防護など重要任務は先送り…ホントにこれでよいのか?

安保関連法の施行日を決める閣議に臨む安倍晋三首相ら=3月22日、首相官邸(斎藤良雄撮影) 安保関連法の施行日を決める閣議に臨む安倍晋三首相ら=3月22日、首相官邸(斎藤良雄撮影)

 このため、本格的な任務付与は早くても参院選後の秋以降になるとされる。参院選が終わっても衆院選が年内に実施されれば、新任務付与はさらに後ろ倒しされる可能性もある。

 ただ、こうした政府の姿勢は、安保関連法をめぐる安倍晋三首相の言動と矛盾する。首相は昨年の通常国会で「日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増している」と安保関連法の必要性を繰り返し訴え、野党が激しく反対する中で法成立にこぎつけた経緯がある。

 それだけに、たとえ批判や逆風にさらされても、自衛隊が新たな任務を円滑に実施できるように準備を急ぎ、安保関連法の実効性を確保する努力が不可欠なはずだ。政局と安保政策を絡めれば、困惑するのは最前線の自衛官だ。選挙戦を優先させる腰の定まらない態度を取り続ければ、日米同盟の信頼関係を傷つける結果にもつながりかねない。

(政治部 石鍋圭)

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