“経歴詐称”ショーンKの学生時代「アメリカ人の恋人も」「ディスコパーティーを仕切っていた」
経歴詐称が発覚し、活動を自粛した経営コンサルタントの「ショーンK」こと、ショーン・マクアードル川上氏に、「テンプル大時代、アメリカ人女性の恋人がいた」という話がある。
「堪能な英語は、その彼女から学んだのかもしれません」
こう話すのは川上氏と同世代で当時、同校に通っていたフリーライターのハイセーヤスダ氏だ。川上氏は米国のテンプル大で学んだとしていたが、実際には当時、学校教育法上の大学ではなかった日本校の「テンプル大学ジャパン」であったことが指摘された。
その日本校で学んだヤスダ氏は「川上氏は当時あった新宿校にいたと話していますが、私もその新宿校にいました。当時40人ぐらいのクラスが5つあって、学生が高田馬場周辺でディスコパーティーみたいな派手な合コンをよくやっていたんですが、その合コンを仕切っていたのが川上という人物だったんです。卒業生までもお世話になっていたという話はありました。現在の顔と当時の姿は一致しないので、100%同一人物かはわかりませんが、そのときの川上なる人物はDJをやっているとも言っていたので、共通点はあります。私自身は見ていませんが、川上氏は昔、人気だったアメリカ人歌手のデビー・ギブソンに似た恋人がいて、バイトで英語の家庭教師もやっていたそうなので、彼の英語はそれで上達したのでは?」と明かす。
川上氏が学んだといわれるテンプル大学の集中英語課程「IELP」は当時、大阪での授業が主体だったという。
「私もIELPにいたんですが、授業内容は英語力が身に付くというより、本格的な英語を始める準備過程みたいなレベルでした。その後に学部コースに上がればレベルアップできるんですが、TOEFLなどの高いハードルがあって、遊び惚けていたらまず無理でしたよ。川上氏を大阪で見かけたことは一度もなく、元在学生14人に話を聞いても同じ。やはり恋人から英語を学んでいたのでは」(ヤスダ氏)
ただ、川上氏が在籍したといわれる10カ月は「授業でいうと3ターム分。4つ目で学力が足りず中退したのかもしれません」とヤスダ氏。
テンプル大学の日本校は、アメリカ本校と同じ教育を受けられることを売りに1983年に誕生。ただ、その後は理事長だった元衆議院議員・東力氏の脱税疑惑で捜査が入るなど、スキャンダルに見舞われることもあった。バブル崩壊で学生が激減する氷河期を耐え抜き、ようやく2005年、文部科学省にも「外国大学の日本校」として認定された。
「認可前は大学に行けなかった若者が大学っぽい肩書き欲しさに通っていたのも多かったんですが、すでに作家活動をしている著名な人も結構いたので、私もそのあたりの人脈目当てというのもありましたよ。他の大学生からは天ぷら大学なんて馬鹿にされたもんです。それだけに、ちゃんと大学になった最近の学生たちにとっては、今回の経歴詐称で名が挙がったのは、悲しいことでしょうね」とヤスダ氏。
川上氏の在籍期間などについて同校に問い合わせたが「卒業生、在校生を含めて学生の個人情報について公開いたしかねます」と広報担当。大学と見なされていなかった大学に在籍していた川上氏、もしかすると肩書きを利用する処世術は、そこで始まっていたのかもしれない。
(文=片岡亮)