メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

新料金プランで最大5%割安 標準家庭1〜3%

 中部電力は12日、4月の家庭向け電力小売り自由化に向けた新料金プランを発表した。2年契約の場合、使用量の多い家庭は最大5%程度割安で、標準的な家庭は1〜3%程度料金が下がる。

     新プランは4種類。最も料金が安くなる「とくとくプラン」は、一度に使える電力量を示す契約容量が60アンペア超の約50万件が対象で、全体の1割以下に限られる。現在月約3万円を支払う家庭ならポイントサービス「カテエネ」に加入し、ポイントを電気代に充てることで、2年で最大約2万7000円割り引く。現行より約4%安く、使用量が増えれば最大約5%下がる。

     最も対象件数が多いのは、30アンペア以下の約340万件向けの「ポイントプラン」。月額7800円程度の標準的な家庭はカテエネポイントの電気代充当で2年で最大約2000円割り引かれ、約1%安い。「とくとく」と「ポイント」の間の容量の約300万世帯は「おとくプラン」の対象で、最大約3%割引。

     これら3プランは2年契約が前提だが、途中で解約しても違約金はない。3プランには台所の掃除を割安で受けられる特典などが付く生活支援サービスを月額300円で追加できる。

     残る1プランは日中使用が少ない利用者向け。夜間料金が日中の半分程度に抑えられ、「2年しばり」がつかない。

     首都圏などエリア外の料金プランは月内にも発表する。新料金の問い合わせや申し込みは13日から中部電のホームページなどで受け付ける。【林奈緒美、竹地広憲】

              ◇

     中部電力が12日、4月の電力小売り全面自由化に向け、家庭向け新料金を発表したのは、本格化しつつある競争に対抗するためだ。東海3県の家庭向けには東京電力や東邦ガスなど10社以上が参入を表明しており、自由化を前にした顧客囲い込みが激化しそうだ。

     「私どもの割引は1〜5%程度。東電の新料金は分析中だが、競争できるメニューだ」。12日の記者会見で中部電力の清水成信専務は胸を張った。

     7日に新料金を発表した東電は、中部電の現行料金より最大で5%程度割安で、ソフトバンクなどの代理店を通じ、初年度に従来の中部電エリアで10万件の契約を目指す。ソフトバンク自身も12日、携帯電話と電気料金のセット割引サービスを4月から導入するプランを表明した。

     通信会社ではソフトバンク以外にも、全国で2500店の「auショップ」があるKDDIが東海3県に参入。自前で電気を調達し、携帯電話契約とセットで電気料金を含め割安になるプランを設定する。

     石油元売りの東燃ゼネラル石油は、自社の発電設備を活用し、中部電の現行料金よりも数%安い価格で販売する予定。ガソリン販売を組み合わせた料金プランについては「検討中」としている。

     一方、東邦ガスもガス契約とのセット販売で中部電の現行料金より安く供給することを検討している。「当社のガスを使いながら電気を使ってもらえればお値打ちになると思う」(安井香一社長)といい、近く新料金プランを決める方針だ。

     ただ、各社の料金メニューは出そろっておらず、東邦ガスのように中部電の料金発表を待ってより安い料金を設定するケースもありそうだ。中部電の清水専務は「当面は十分対抗しうる料金水準だと思うが、それ以降新たな状況が発生すれば、必要な準備を行わなければいけない」と述べ、料金プランの見直しを検討する可能性に言及した。【林奈緒美】

    あわせて読みたい

    センバツ高校野球

    3月28日の試合

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 麻薬取締法違反 タレントの高部あいさん、不起訴処分に
    2. 厚労省 「まるでブラック」非正規相談員の労働時間延長
    3. トランプ氏 日米はじめ「同盟関係見直し論」に広がる波紋
    4. 王将社長射殺 200億円流出 企業と不正取引…第三者委
    5. 長時間労働 24%「過労死ライン」超…厚労省調査

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

    [PR]