タイトル通りです。今日はこれについて考えます。
考えの出発点は以下のブログの記事でございます。
まずは考える題材をいただけたことに対し、あしみの様にお礼申し上げます。
さて、元の記事なのですが、平たく言うと「タイトルの範囲」>「本文で言及している範囲」という構造になっていますので、タイトルが内容を正確に表しておりません。元の記事で言及されていることは、要約すれば次のようなことになると思われます。
①「できると思います」という言葉をビジネスで見ると、「思います」という部分が気に触る。
②「できる」か「できないか」で答えろ。お前の気持ちはどうでもいい。「できる」か「できないか」をスパッと気持ち良く答えろ
③「思う」という言葉の意味はこの場合「願い、期待」か「予想、推察」か「心に定めている」か「心に憂いている」の4つのうちどれかに分類されるだろうが、どの場合においても不要である。
①は本人の気持ちでありますから、否定することはできません。また②に関しても(というか言ってること①とほぼ同じなんですけど)気持ちはよくわかります。
スパッと気持ちのよい回答が周りには求められているのだと、これは確かにそうなのでありましょう。
で、③なんですが……
問題はここなんですよ。というかここが引っかかってしまったがためにブログにしたようなものです。ちょっと長くなるので先に結論だけ書いておきます。
結論「明確に間違っている。(ただし間違いであるという指摘は、おそらくビジネスにおいてはおおむね役に立たないであろう)」
ではなぜそう断言できるのか。平たく言えば、これは言葉の問題なのです。
上司「これ今日中にできる?」という質問に対する回答
この質問って、そもそも何を聞いてるのだと思いますか? この質問が尋ねているのは、『未来において仕事が完了しているかどうか』、じゃないですか?
ところで、『未来において仕事が完了しているかどうか』ってどうやって把握すると思います?
予想するんですよ。
予想する以外に、方法がないのです。未来のことですからね。タイムマシンで未来のことを見てきたりしない限り、この質問に対する回答はいかなる場合であれ『現段階での予想の回答』にならざるをえないのです。
これに「思います」という言葉の意味を当てはめてみましょう。
(1)「できると思います(願い、期待の場合)」→仕事は完了すると予想されます。願っているからです。
これは明確にダメですね。それこそ「お前の願望なんざ聞いてねーよ」って話ですからね。
(2)「できると思います(予想の場合)」→現段階の状況から、仕事は完了すると予想されます。
これは大丈夫です。根拠まで示せれば完璧でしょうね。
(3)「できると思います(心に定めている場合)」→俺はやると決めている。それが予想の根拠だ。
カッコイイ! でもんなこと聞いてねえ。
(4)「できると思います(心配している場合)」→若干心配事はある。仕事は完了すると予想されるけど。
これはちょっと危ない。相談しましょ、そうしましょ。
ちなみに「できます!」と断言した場合はどうなるのでしょうか。
(5)「できます!」→現段階の状況から、仕事は完了すると予想されます!
(2)と変わりません。強いて言えば「!」がつきました。
以上より、結論です。
「これ今日中にできる?」という質問に対し、「できると思います」と答えようが「できます!」と答えようが、本質的な部分に違いはありません。よって「思います」が間違っていて「できます!」が正しいというのは、勘違いです。
もっとも印象的な問題で言えば、「思います」という言葉には若干控えめな意味が多く含まれていることも確かなのでしょう。よってこの結論は(少なくとも元ブログの方が上司だった場合においては)役に立たないものでしょう。ちなみに僕も断言してもらったほうが気持ちいいです。ほらさっそく役に立ってない。
……まあ「できます!(強い断言)」と「できると思います!(強い断言)」はほぼほぼ同じ内容をあらわしてんじゃねーですか?ってことが伝えたかったのですよ。
ぺら紙