出資大幅減に加え…鴻海のシャープ買い叩きが止まらない
郭会長は、シャープのメーンバンクである、みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行に対し、新たな融資枠3000億円の設定を求めた。さらに、今月末に償還期限を迎える5100億円の借り換え融資についても、金利引き下げを要求しているという。
「シャープ経営陣やメーンバンクは鴻海の術中にはまったのでしょう。シャープ再建を表明していた機構は完全に手を引いたし、いまさら手を挙げる有力企業も見当たりません。鴻海が買収中止を宣言したら、再びシャープは経営危機に直面します。郭会長は、それを十分に分かったうえで、買収交渉を有利に進めようとしているのです」(経済ジャーナリストの真保紀一郎氏)
■メーンバンク2行にミゾ
シャープ側が一枚岩だったら、郭会長はもう少し遠慮したかもしれない。
「メーンバンクのみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行の関係が冷え込んでいます。というのは、鴻海の再建案を支持したのはみずほで、三菱東京は機構案を推していたからです。三菱東京側は『ほら見たことか』とみずほを冷たい目で見ているといいます。こんなことでは、郭会長に付け入る隙を与えるばかりです」(金融関係者)
シャープは今月中の正式契約を目指すとしているが、郭会長にその気があるかどうか……。