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【大相撲】

白鵬、変化は「勝負ですから」 優勝一夜明け会見

2016年3月29日 紙面から

優勝一夜明け会見で渋い表情を見せる白鵬=大阪市天王寺区で(神代雅夫撮影)

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 大相撲春場所で4場所ぶり36度目の優勝を飾った横綱白鵬(31)=宮城野=が千秋楽から一夜明けた28日、大阪市内のホテルで記者会見した。日馬富士戦で変化して優勝を決めた一番に「自分自身が一番悔しい」とあらためて思いを吐露。優勝インタビューでこぼした涙の理由を、ファンからのヤジとモンゴル相撲の大横綱である父・ムンフバトさんに並んだことで気持ちが高ぶったからだったと説明した。

 前夜に昨年名古屋場所以来の美酒を味わった白鵬は、少し赤らんだ顔で物議を醸した一番を振り返った。「あまりよろしくないけどね」と言いながらも「あれで決まると思わなかったし、自分自身が悔しかったですね」。変化したことに「悔しい」を何度も連発して複雑な思いを吐き出した。

 一方、琴奨菊戦で変化した稀勢の里も引き合いに出し「あまり文句は言われないだろうな。やっぱり勝負ですから。8カ月ぶりに賜杯を抱きたい気持ちが出たかもしれませんね」と勝利への執念だったと弁明した。

 涙の訳も打ち明けた。年1回のモンゴル相撲で6回優勝した父・ムンフバトさんと年6場所の大相撲に換算して36回の優勝で並んだことに加え、「会場から厳しい言葉もいただいたし、重ね重ね込み上げてきましたね」。ファンから浴びせられた強烈なヤジも感情を高ぶらせた。父がアルツハイマー病を患っていることも明かし「やっといい報告がおやじにできる」としみじみ語った。

 この日は日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)の続投が決まった。力士のトップに君臨する白鵬は「協会のために一生懸命やってもらえればうれしい。われわれとしても相撲道を全うして頑張るだけ」と、一丸となって土俵を盛り上げる決意を込めた。また、6年間務めた力士会の会長職を夏場所前にも日馬富士に引き継ぐ意向を示した。目標に掲げる史上3人目となる1000勝の大台を達成するべく、一力士として相撲道にまい進する。 (永井響太)

 

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