マエケン、ＭＶＰ男斬り！！　レッズのボット三振に脱帽

　【グレンデール（米アリゾナ州）穐村賢】マエケンが２０１０年ＭＶＰ男斬りでアリゾナキャンプを締めた。ドジャースの前田健太投手（２７）は２７日（日本時間２８日）、レッズとのオープン戦に先発し、５イニング１／３を４安打３失点（自責２）、５三振。６回途中の降板後、救援投手が打たれて初黒星が付いたが、１０年のナ・リーグＭＶＰのジョーイ・ボット一塁手（３２）から三振を奪うなど、順調な仕上がりをうかがわせた。次回登板は４月１日（同２日）、本拠地ドジャースタジアムでのエンゼルス戦で３〜４イニングの登板が見込まれている。

　前田がメジャー通算打率３割１分１厘のＭＶＰ男を手玉に取った。初回、簡単に２死を取った前田に対してボットは、２球連続セーフティーバントを試みるなど奇策で応戦。ファウル２つで２ストライクとすると、最後は内角ギリギリのツーシームで見逃し三振に打ち取り、前田は「うまく三振に取れた」と表情を緩めた。

　リーグ最高出塁を４度記録するなど選球眼に絶対の自信を持つ、今季年俸２０００万ドル（約２２億６０００万円）の大打者も「最後のボールは間違いなくストライク。完敗だね」と脱帽。３打席目には８球目に中前打を放って意地を見せたが「彼にはものすごい可能性があるし、素晴らしい制球力がある。ドジャースの大きな力になると思うし、周りの予想よりも活躍できると思うよ」と太鼓判を押した。

　この日はチェンジアップの制球に苦しみカウントを悪くする場面もあったが、スライダーやカーブで打者の目線をずらして６回途中まで４安打の粘投。「状態はあんまり良くなかったですけど、うまくまとめることができた」と自身の投球に及第点を与えた。

　前田にとってこの日がキャンプ地・アリゾナでの最後の先発。計１９イニングを防御率１・８９という好成績で終えると「いろんな不安要素をなくしていけた。自分なりにいい感触を得られたし、今不安なものはないに等しい」と自信にあふれた表情でメジャー１年目のキャンプを振り返った。

　次回登板予定は本拠地で行われるエンゼルスとのオープン戦。今キャンプで周囲の評価を確かなものにした前田がいよいよ本拠地・ロサンゼルスへと上陸する。