通信途絶の衛星「ひとみ」 何らかの理由で回転か
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通信が途絶えている日本の天体観測衛星「ひとみ」が地上の望遠鏡から撮影され、地上から見える「ひとみ」の明るさが数秒おきに変化していることが分かりました。専門家は「ひとみ」は何らかの理由で回転しているのではないかと指摘しています。
JAXAがおよそ310億円をかけて開発し、先月、地球の上空575キロ付近を回る軌道に打ち上げられた天体観測衛星「ひとみ」は、今月26日の夕方から地上側との通信が途絶えています。トラブルの発生から4日目となる29日も通信は回復せず、JAXAは衛星に何らかの深刻な事態が起きているとみて、状況の把握を急いでいます。
こうしたなか、岡山県倉敷市にある科学館「倉敷科学センター」が28日夜、「ひとみ」を地上から望遠鏡で撮影することに成功しました。撮影は10秒間に6回、断続的に行われ、1回の露出時間を長めにして1本の光の筋に見えるように行い、1枚の画像に合成しました。
その結果、「ひとみ」が明るく見えるときと、薄暗く見えるときがおよそ7秒おきに繰り返されていることが分かったということです。
また、アメリカ西部アリゾナ州の天文家も「ひとみ」とみられる物体を動画で撮影し、同じように数秒おきの短い周期で地上から見える明るさが変化している様子を捉えました。
こうした画像や映像について、JAXAの衛星開発の元責任者で、日本宇宙フォーラムの常務理事の吉冨進さんは、「衛星が回転してしまい、太陽の光を反射したりしなかったりしているものと思われる。衛星に何かが衝突したか、衛星の中でどこかの部分が破裂したかしたのではないか。状況はかなり深刻だ」と指摘しています。
また、アリゾナ州の天文家が撮影した映像について、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのマクドウェル博士は、この物体が「ひとみ」と考えられるとしたうえで、光が強弱しているのは「ひとみ」が回転を繰り返して一定の体勢を維持できなくなっているからだと分析しました。
マクドウェル博士は、「何らかの物体との衝突など外部、もしくは内部から力が加わった結果と考えられる。『ひとみ』は地上の方向が分からない状態になっているため、通信状態が不安定になっている。JAXAは『ひとみ』に電波を送り、回転を止める指示を出さなければならないが、簡単な作業ではない」と指摘しました。
こうしたなか、岡山県倉敷市にある科学館「倉敷科学センター」が28日夜、「ひとみ」を地上から望遠鏡で撮影することに成功しました。撮影は10秒間に6回、断続的に行われ、1回の露出時間を長めにして1本の光の筋に見えるように行い、1枚の画像に合成しました。
その結果、「ひとみ」が明るく見えるときと、薄暗く見えるときがおよそ7秒おきに繰り返されていることが分かったということです。
また、アメリカ西部アリゾナ州の天文家も「ひとみ」とみられる物体を動画で撮影し、同じように数秒おきの短い周期で地上から見える明るさが変化している様子を捉えました。
こうした画像や映像について、JAXAの衛星開発の元責任者で、日本宇宙フォーラムの常務理事の吉冨進さんは、「衛星が回転してしまい、太陽の光を反射したりしなかったりしているものと思われる。衛星に何かが衝突したか、衛星の中でどこかの部分が破裂したかしたのではないか。状況はかなり深刻だ」と指摘しています。
また、アリゾナ州の天文家が撮影した映像について、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのマクドウェル博士は、この物体が「ひとみ」と考えられるとしたうえで、光が強弱しているのは「ひとみ」が回転を繰り返して一定の体勢を維持できなくなっているからだと分析しました。
マクドウェル博士は、「何らかの物体との衝突など外部、もしくは内部から力が加わった結果と考えられる。『ひとみ』は地上の方向が分からない状態になっているため、通信状態が不安定になっている。JAXAは『ひとみ』に電波を送り、回転を止める指示を出さなければならないが、簡単な作業ではない」と指摘しました。