【巨人】最下位男・長谷川&戦力外男・ウーゴを支配下 開幕3連勝でも刺激注入
開幕3連勝スタートを決めた由伸巨人に、秘密兵器が加わった。巨人は28日、ウーゴ投手(26)、長谷川潤投手(24)と支配下契約を締結。開幕直後に左腕のウーゴを支配下登録することで、フロント陣が26日ヤクルト戦(東京D)で崩れた戸根を含めた現戦力へ、危機感をあおった形だ。サイド右腕の育成8位・長谷川は、育成を含めた昨秋ドラフト116人中116番目の指名からの大出世。ウーゴとともに、選手に刺激を与える。
ロケットスタートを決めた由伸巨人が、次の一手を繰り出した。ヤクルトとの開幕3連戦に3連勝。最高に映った船出にも、油断はなかった。この日、左腕のウーゴ、サイド右腕の長谷川と支配下契約。現状を冷静に見極め、先手を打った。
ウーゴは対外試合わずか5試合の登板で育成から昇格。中継ぎ候補として1軍昇格を目指す。堤GMは「あと数試合、結果を見てから、と思っていたが」と、支配下登録が前倒しとなったことを明かし、続けた。
堤GM「点差が開いていたとはいえ、戸根投手が少しふがいない投球をしてしまった。年に何回かある『調子の悪い』で片付けられるようには受け取れなかったので、左投手をきっちり整備しないといけないと感じました」
左の救援として期待される戸根は26日ヤクルト戦で8点リードの9回に登板。1回を投げ切れず、0回2/3を3失点で降板した。1軍入りを狙うウーゴの支配下入りが戸根の競争心をあおれば、リリーフ左腕の層はグッと厚みを増す。
育成8位の長谷川はサイドからのスライダーを武器に先発の一角を狙う。昨秋のドラフトでは、育成を含む全116選手中116番目の“しんがり”指名。12球団最終指名からの“超・下克上”も、強いメッセージ性を帯びた。
堤GM「いわゆる最下位の指名から支配下をつかんだことは意義があるし、他の選手にとって励みになると思う」
巨人は今季から3軍を新設。2軍と選手を入れ替えながら、競争心、ハングリー精神を養ってきた。2人の支配下登録は、1軍クラスの選手にさらなる危機感を植え付け、支配下や1軍昇格を目指す若手の士気を上げる効果も期待される。
3軍から支配下を勝ち取った長谷川は「斎藤2軍監督のような先発完投できる投手になりたい」と目標を掲げ、ウーゴも「(育成から主力になった)山口さんのような投手を目指す」と大志を抱いた。2人の支配下登録による純粋な戦力強化と、それに伴う周囲の意識の変化。目をギラつかせる3軍の存在が1~3軍の“総サバイバル化”を生み、由伸巨人の戦力を分厚くしていく。(宮脇 央介)