2016年3月29日12時49分
戦後日本の安全保障政策を転換する安全保障関連法が施行された29日、安倍晋三首相は午前の参院予算委員会で「北朝鮮の弾道ミサイル発射の際にも、従来より日米は情報共有ではるかに協力は進んだ。法の整備によって、同盟の絆は強化された」と述べ、意義を強調した。
集団的自衛権の行使を認め、自衛隊の活動を世界規模に広げることに批判は根強く、野党は安保法廃止法案を共同提出している。首相はこの点について、「廃止すれば日米の同盟の絆は毀損(きそん)される」と牽制(けんせい)。自民党の谷垣禎一幹事長も同日の記者会見で、「今さら(議論を)蒸し返す必要はない」と野党を批判した。
菅義偉官房長官は同日午前の記者会見で、同法に対する国民の理解について「昨今の世論調査では、(賛否が)逆転するところもあり、ほとんど接近してきているのではないか。法成立当時に比べて国民の理解は大幅に進んできていると思う」と自信を示した。
中谷元・防衛相は同日の会見で、「施行により防衛省・自衛隊はさらに多くの任務を果たすことになる。引き続き慎重を期して準備作業、教育訓練を実施したい」と述べ、同法に基づく新任務の準備に万全を期す考えを示した。
岸田文雄外相は同日の会見で、「米国、欧州、アジアなど多くの国々から支持、歓迎の反応がある。国際社会に対しても丁寧に分かりやすく説明を続けていきたい」と語った。
一方、野党は批判を強めている。参院予算委員会で民進党の前川清成氏は「私たちも国を守ることは政治に課された最も大事な仕事だと思うが、その考え方に立っても、日本を守るために集団的自衛権は必要ない」と批判した。
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