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日本人が持つべき英語力向上に必要な"日本語力" - JB SAITO(マサチューセッツ大学MBA講師)

■文章の流れから単語が引き出せない理由

現在ビジネスエリートに対して日本語から英語へのビジネスライティングを教えていますが、参加者の皆さんが一番苦労しているのは日本語の曖昧さをうまく意訳できない点にあるようです。

例えば、「受け入れる」という言葉と「認める」という2つの言葉は実は両方ともacceptという言葉で表現ができます。イメージで言うとacceptには、「潔く全て納得する」という意味が隠されているため、「認める」という言葉もその対訳として使えるわけです。2つの例文を使って検証してみましょう。

 - 多くの仕事を受け入れる
 - 失敗を認める

大半の受講者が、私のレッスンを受ける前は「受け入れる」だけをacceptとして訳してしまい、「認める」はadmitやrecognize他で表現してしまいます。もちろん、この2つは「認める」という単語として間違いではありませんが、この文章に適した使い方ではありません。この間違いは、英単語と日本語を1対1の関係だけで暗記するクセを学生時代につけてしまったことが原因にあると思います。

また、日本語自体が曖昧さや抽象性を残すことに美しさを見出す言語とされているため、具体的な表現に変換してからでなければ正確な英訳が難しいのです。

■ビジネスパーソンが良く使うeffectiveとefficientの違い

effectiveは「効果的」、efficient「効率的」と訳すことができますが、この2つの用法もよく間違えることがあります。そして、その意味にもかなりの違いがあることをご存知でしょうか。

- Effective:effect(効果・結果)から派生したeffectiveとは、文字通り”効果”に焦点を当てた形容詞
- Efficient :早く結果を出す様を表し”時間”に焦点を当てた形容詞

つまり、この2つの言葉を使い分けるときには“効果”なのか”時間”なのかで判断する必要があるわけです。
例えばeffective conversationという言葉はあっても、efficient conversationは話し方教室でもない限り使われることはありません。

昨今では、効率化の波が日本の大手・若手企業問わず押し寄せ、その経営陣の多くが”時間”短縮のefficiency号令をかけているようです。しかし、その一方で業績アップのスピードを重視し過ぎるばかりに禁じ手に手を染めてしまう企業も多くあるのは周知のことでしょう。行き詰まって粉飾に手を出してしまう企業がその代表的な例です。

それ以外の真っ当な企業にしてもeffectivenessを完全に忘れているわけではないのですが、現代のトレンドとしてはefficiencyマインドが勝ってしまっている印象があります。

■ボロが出る突貫工事英語

私自身もかなり頭がアメリカ化しているため、多くの面で効率を重視する性格だと思うのですが、一方で英語学習で時間に軸をおく効率性については懐疑的です。
そして、私が教える”将来の国際ビジネスパーソン”にはお勧めしていません。
というのは最短で英語学習を達成する人は、上述の企業のようにボロが出てしまうことが多いからです。

私は、アメリカで俳優をしていたときに英語はできたのですが、それらは結局突貫工事のように全て取り繕ったものにすぎませんでした。ところが自分は英語ができると勘違いしてしまい、実際外資系金融機関で働き始めたときに化けの皮がはがされて、しばらく仕事をもらえない状況に陥りました。

自分が国際ビジネスパーソンとしてプロの英語ができるようになったのは、その後にたくさんの英文レポートや参考になるメールを読むなどをして効果的な学習をしたあとだったと思います。

■日本人が目指すべき効果的英語学習

日本語や韓国語というのはハイコンテクスト(high context)文化であり「いちいち詳しく言わなくてもわかるでしょ?」という文化で成り立っています。Contextというのは文脈という意味なので、それが高い(high)ということは行間をしっかり読まなくてはいけないということです。一方でアメリカやドイツなどはローコンテクスト(low context)文化のため、細かい点もストレートに説明することが常識です。

つまり、日本人同士でやり取りをする内容を翻訳しても、結局他国の人には伝わらない文章になってしまう可能性が大いにあるわけです。これでは、突貫工事の英語をサポートしてくれるgoogle翻訳等にかけたとしても「こんな意味じゃないんだけどなぁ」と呟いてしまう英語になるのも当然でしょう。そして、それでも「仕方ない」と思ってメールの送信ボタンを押してしまった方もかなりいらっしゃるのではないでしょうか。

この問題の原因が、日本語脳と英語脳の違いなのであれば、自身の表現をハイコンテクストからローコンテクストに換えれば通じる可能性も高くなりますし、google翻訳にかけたとしてマシな解答が返ってくることも多いのです。

そういう意味で、日本のビジネスパーソンはその曖昧な日本語表現を英訳用日本語に直すことからはじめることが、英語力を”効果的”に向上させる”最短”の方法だと思うのです。

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JB SAITO マサチューセッツ大学MBA講師

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