
【上田映劇】
【上田でんき館】
上田市中央の映画館「上田映劇」「上田でんき館」の2館を運営するセム・コーポレーション(駒崎隆社長)は、シネマコンプレックス大手「TOHOシネマズ」が同市アリオ上田でのオープンから、映劇の常時上映する体制を休止し、でんき館も5月末での休止を決めた。
建物の今後の活用を模索している。
休止について駒崎社長は「どの都市でもシネコンが来ると従来の映画館は閉館や別の活用となり、上田だけ例外となるとは思えない。でんき館は上映が決まっている5月末までに次の活用が決まらなければ、休館もあり得る。継続を求めるありがたい声もあるが、現実には厳しい」と語る。
大正期から上田地域の映画文化などを一世紀の間担ってきた。映劇の建物は改修されているが柱などは当時のままで、木造一部2階建。座席は2階を含めて280席。ライブハウスとしての活用の提案もあって16年前にリニューアルし、スクリーン前に舞台を設置。以来、映画と舞台で多目的に利用されてきた。建物の歴史などを踏まえ、売却せずに映画を含めた新しい活用を検討している。
でんき館は平成10年に全面建て替え。2スクリーンあり、Iが100席、Ⅱが80席。鉄筋コンクリート造でOMソーラーシステムを導入した省エネ型の映画館。貸借から売却も視野に入れながら今後の活用を検討している。
「映画館として使ってくれる人があれば理想的。TOHOシネマズは全スクリーンがデジタルなので、古くフィルムのみの映画に対応できないことから、営業的ではない作品を上映する道も残っている。まちの活性化役立つような活用をしてもらえればありがたい」(駒崎社長)。