不明女子中学生保護 少女の父親が会見、現在の心境語る
03/29 00:04
埼玉・朝霞市で、2年前から行方不明になり、27日に保護された少女の父親が、28日夜、会見で現在の心境を語った。一方、少女の証言などから、身柄を確保された23歳の男による連れ去りの手口や監禁の状況が、徐々にわかってきた。
少女の父親は「今は本当に、すごくほっとしています。(会った時は)車いすに座っていて、わたしを見ると、笑いながら手を振ってくれました。言葉は交わしていないです。わたしも、笑いかけて、手を振り返しました」と話した。
2年ぶりに娘と再会した際の様子を語る父親。
埼玉・朝霞市で、当時中学1年の少女の行方がわからなくなってから、2年余り。
少女は27日、東京・中野区のJR東中野駅で保護された。
助けを求める電話がかかってきた時の様子を、父親は「1回目は妻が出まして。娘が、電話口で『お母さん』と言って。妻の方が、正直、『お母さんって何? いたずら?』って思ったんですけど。でも、もしかしたら、娘じゃないかっていう思いもあって、娘の名前を呼び返したそうです。そうしたら、電話口から娘の名前を言って、○○だよっていうふうに、答えが返ってきたので」と語った。
少女を連れ去った未成年者誘拐の疑いで指名手配されたのは、先週、千葉大学を卒業したばかりの寺内樺風(かぶ)容疑者(23)。
寺内容疑者は、28日未明、静岡・伊東市で、血だらけの状態で身柄を確保された。
寺内容疑者を最初に発見した新聞配達員は「道路の端に、手を挙げて立っている人物が見えたんですよ。全身血まみれだったもので、すぐバイクを止めて、近くに寄って。『車にでもひかれたか』って聞いたら、『すぐ警察を呼んでくれ』と言われたのと、『死のうかと思ったけど、死ねなかった』と。もうろうとしてはなかったですけど、とにかく足元は震えていましたね」と話した。
寺内容疑者は、確保される際に、警察官に「カッターで首を切った。自殺を図った」などと話したという。
警察は、病院で治療を受けている寺内容疑者の回復の状況を見ながら、くわしく話を聴く方針。
この2年余りの間に、少女の身に何があったのか。
少女は「自宅近くで、知らない男に連れてこられた。男が外出したすきに逃げてきた」と話している。
JR東中野駅の公衆電話から、自宅と警察に、助けを求める電話をした少女。
2年前の3月10日、行方不明になった当日の午後3時36分、自宅近くの防犯カメラに、制服姿の少女の姿が映っている。
その後、寺内容疑者に、「お父さんとお母さんが離婚した。わたしは、彼らの弁護士なので、一緒に来てほしい」と声をかけられ、無理やり車に乗せられたという。
この時、少女が目隠しされたことも、新たにわかった。
そして、千葉市にある寺内容疑者のアパートで、監禁生活は始まった。
寺内容疑者が住んでいたアパートは、通っていた千葉大学のすぐ目の前。
数ある部屋の中でも、一番広い居間に加えて、2部屋ついているタイプで、1人で住むには、やや広すぎる印象。
部屋の間取りは、風呂、トイレ別の2LDK。
6畳の和室と洋室、キッチンのついたリビングがある。
容疑者が住んでいた部屋の真下の住人は「1人暮らしだと、ずっと思っていたんですけど、上の人。2人いるというのは、全然、自分で把握していなかったです。『男の人の足音だな』というのは、大体わかるので。外から鍵かけるところはないとは思うので、何かをつけていたんですかね。気づいてあげられなかったっていうのは、ちょっと申し訳ないなって」と話した。
外から鍵をかけられ、監視もされていたという少女。
この部屋での監禁生活は、1年11カ月に及んだ。
その間、寺内容疑者が買い物をする様子を見たという人は「男性の方なのに、生理用品だったりとか、女性誌、女性が読むものを。なので、そういう趣味というか、そういうのがある方なのかなという様子。定期的に来て、覚えている」と話した。
そして、2月、少女は、第2の監禁場所・中野区へ。
寺内容疑者が、就職のため、東京・中野区へ引っ越すことになったため。
中野区のアパートは、鍵に細工はしておらず、中からも開けられる状態だった。
少女は、寺内容疑者が「秋葉原に買い物に行く」と外出したすきを見て、アパートから逃げ出したという。
警察官が保護した時、少女は、黒いダウンコートに黒いジャージーのズボン姿。
所持品は、中学校の生徒手帳と、現金170円だった。
寺内容疑者のアパートからは、中学校の制服とジャージーの上下が見つかっている。
2年に及んだ監禁生活。
一方で、近所の人は「コンビニ帰る時、女の人と一緒に会ったことがあります。(隣に住んでいる男と女が一緒に?)そうです。1回だけ、一緒に会っていました」と話した。
宅配したことがある人は「去年は、男の子がいつも出ていて。去年の途中から、女の子がよく出るようになって。色白で、すごくかわいい子。いつも、にこにこしていて。(おびえていた様子は?)全然ない」と話した。
この2年間の少女の心理状態は、どのようなものだったのか。
専門家は、助けを求めたのが、アパートの近所ではなく、駅だったことに注目する。
臨床心理士の矢幡 洋氏は「一刻も早く遠ざかりたい、そういう思いが強かったんだろうと思います。また、駅に行けば、そこから鉄道が通じているということで、気持ちのうえで、逃げ出す、遠ざかれる可能性が高い方を選んだという心境だったと思います」と話した。
寺内容疑者は、少女に恐怖心を植えつけ、支配していたのか。
近所の人が、一様に監禁に気づかなかったことについて、矢幡氏は「下の階の住人にも、全く気づかれなかったということは、この少女が脅しを受けていて、それに服従してしまうような心理状態に陥っていたという可能性があると思います。もしかすると、『言うことを聞いていれば、来月には帰してやる』というような、甘いことを一方で言われて、『自力で助けを求めるよりも、服従した方が、家に帰れる可能性が高いのではないか』というふうに思い込まされてしまった可能性もあると思います」と話した。
少女の父親は「今は本当に、すごくほっとしています。(会った時は)車いすに座っていて、わたしを見ると、笑いながら手を振ってくれました。言葉は交わしていないです。わたしも、笑いかけて、手を振り返しました」と話した。
2年ぶりに娘と再会した際の様子を語る父親。
埼玉・朝霞市で、当時中学1年の少女の行方がわからなくなってから、2年余り。
少女は27日、東京・中野区のJR東中野駅で保護された。
助けを求める電話がかかってきた時の様子を、父親は「1回目は妻が出まして。娘が、電話口で『お母さん』と言って。妻の方が、正直、『お母さんって何? いたずら?』って思ったんですけど。でも、もしかしたら、娘じゃないかっていう思いもあって、娘の名前を呼び返したそうです。そうしたら、電話口から娘の名前を言って、○○だよっていうふうに、答えが返ってきたので」と語った。
少女を連れ去った未成年者誘拐の疑いで指名手配されたのは、先週、千葉大学を卒業したばかりの寺内樺風(かぶ)容疑者(23)。
寺内容疑者は、28日未明、静岡・伊東市で、血だらけの状態で身柄を確保された。
寺内容疑者を最初に発見した新聞配達員は「道路の端に、手を挙げて立っている人物が見えたんですよ。全身血まみれだったもので、すぐバイクを止めて、近くに寄って。『車にでもひかれたか』って聞いたら、『すぐ警察を呼んでくれ』と言われたのと、『死のうかと思ったけど、死ねなかった』と。もうろうとしてはなかったですけど、とにかく足元は震えていましたね」と話した。
寺内容疑者は、確保される際に、警察官に「カッターで首を切った。自殺を図った」などと話したという。
警察は、病院で治療を受けている寺内容疑者の回復の状況を見ながら、くわしく話を聴く方針。
この2年余りの間に、少女の身に何があったのか。
少女は「自宅近くで、知らない男に連れてこられた。男が外出したすきに逃げてきた」と話している。
JR東中野駅の公衆電話から、自宅と警察に、助けを求める電話をした少女。
2年前の3月10日、行方不明になった当日の午後3時36分、自宅近くの防犯カメラに、制服姿の少女の姿が映っている。
その後、寺内容疑者に、「お父さんとお母さんが離婚した。わたしは、彼らの弁護士なので、一緒に来てほしい」と声をかけられ、無理やり車に乗せられたという。
この時、少女が目隠しされたことも、新たにわかった。
そして、千葉市にある寺内容疑者のアパートで、監禁生活は始まった。
寺内容疑者が住んでいたアパートは、通っていた千葉大学のすぐ目の前。
数ある部屋の中でも、一番広い居間に加えて、2部屋ついているタイプで、1人で住むには、やや広すぎる印象。
部屋の間取りは、風呂、トイレ別の2LDK。
6畳の和室と洋室、キッチンのついたリビングがある。
容疑者が住んでいた部屋の真下の住人は「1人暮らしだと、ずっと思っていたんですけど、上の人。2人いるというのは、全然、自分で把握していなかったです。『男の人の足音だな』というのは、大体わかるので。外から鍵かけるところはないとは思うので、何かをつけていたんですかね。気づいてあげられなかったっていうのは、ちょっと申し訳ないなって」と話した。
外から鍵をかけられ、監視もされていたという少女。
この部屋での監禁生活は、1年11カ月に及んだ。
その間、寺内容疑者が買い物をする様子を見たという人は「男性の方なのに、生理用品だったりとか、女性誌、女性が読むものを。なので、そういう趣味というか、そういうのがある方なのかなという様子。定期的に来て、覚えている」と話した。
そして、2月、少女は、第2の監禁場所・中野区へ。
寺内容疑者が、就職のため、東京・中野区へ引っ越すことになったため。
中野区のアパートは、鍵に細工はしておらず、中からも開けられる状態だった。
少女は、寺内容疑者が「秋葉原に買い物に行く」と外出したすきを見て、アパートから逃げ出したという。
警察官が保護した時、少女は、黒いダウンコートに黒いジャージーのズボン姿。
所持品は、中学校の生徒手帳と、現金170円だった。
寺内容疑者のアパートからは、中学校の制服とジャージーの上下が見つかっている。
2年に及んだ監禁生活。
一方で、近所の人は「コンビニ帰る時、女の人と一緒に会ったことがあります。(隣に住んでいる男と女が一緒に?)そうです。1回だけ、一緒に会っていました」と話した。
宅配したことがある人は「去年は、男の子がいつも出ていて。去年の途中から、女の子がよく出るようになって。色白で、すごくかわいい子。いつも、にこにこしていて。(おびえていた様子は?)全然ない」と話した。
この2年間の少女の心理状態は、どのようなものだったのか。
専門家は、助けを求めたのが、アパートの近所ではなく、駅だったことに注目する。
臨床心理士の矢幡 洋氏は「一刻も早く遠ざかりたい、そういう思いが強かったんだろうと思います。また、駅に行けば、そこから鉄道が通じているということで、気持ちのうえで、逃げ出す、遠ざかれる可能性が高い方を選んだという心境だったと思います」と話した。
寺内容疑者は、少女に恐怖心を植えつけ、支配していたのか。
近所の人が、一様に監禁に気づかなかったことについて、矢幡氏は「下の階の住人にも、全く気づかれなかったということは、この少女が脅しを受けていて、それに服従してしまうような心理状態に陥っていたという可能性があると思います。もしかすると、『言うことを聞いていれば、来月には帰してやる』というような、甘いことを一方で言われて、『自力で助けを求めるよりも、服従した方が、家に帰れる可能性が高いのではないか』というふうに思い込まされてしまった可能性もあると思います」と話した。