天体観測衛星「ひとみ」通信回復せず 深刻な事態か

天体観測衛星「ひとみ」通信回復せず 深刻な事態か
k10010460211_201603291226_201603291231.mp4
通信が途絶えている日本の天体観測衛星「ひとみ」は、トラブルの発生から4日目となる29日も通信が回復せず、JAXA=宇宙航空研究開発機構は衛星に何らかの深刻な事態が起きているとみて状況の把握を急いでいます。
JAXAがおよそ310億円をかけて開発し、先月、地球の上空575キロ付近を回る軌道に打ち上げられた天体観測衛星「ひとみ」は、今月26日の夕方から地上側との通信が途絶えています。
トラブルの発生から4日目となる29日も通信は回復せず、JAXAは衛星に何らかの深刻な事態が起きているとみて、地上の望遠鏡で確認を試みるなど状況の把握を急いでいます。
これまでに、「宇宙ごみ」などを監視しているアメリカ軍の機関から「『ひとみ』の周辺で複数の物体が確認され、分解したのではないか」という情報が寄せられ、JAXAで関連を調べていますが、今のところ、その物体が何なのかは分かっていないということです。
馳文部科学大臣は29日の閣議後の会見で、「『ひとみ』の状態を心配している。JAXAには原因の究明と復旧に全力を尽くすよう指示した。全く諦めておらず、正確な状況の把握をJAXAにお願いしたい」と述べました。