インターネットには「世間様からの自由」という言葉がもはや似あわない。インターネットの多様化や細分化によって世間様が遠のいたわけではなく、多様化し、細分化した世間様が無数に誕生しただけだった。あらゆる種類の世間様が肩で風を切って歩き、ガンをつけあい、お互いを殲滅しようとする、言葉の世界の『北斗の拳』みたいな世間様ユニバース! 右派的言動は左派的世間に批判され、左派的言動は右派的世間に愚弄される――万事が万事こんな調子だから、思想信条の内容いかんにかかわらず、役人言葉もかくやという用心深い表現を心がけなければ、ライフが幾つあっても足りない。そんな目立つ場所でタバコを吸うな! 首をすぼめろ! 世間様に狙撃されるぞ!
ネットの自由論は熊代亨さまにおまかせするとして。
テレビを観ていると「ネット民」というワードが飛び出すことがある。
そんな雑感。
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「ネット民と言うのは~」などと 博報堂の原田曜平がワイドショーで語るとき、その「ネット民」はまるで別途の異人種のように語られる。
でもその「ネット民」はそこここの主婦だったり、サラリーマンだったりする。
電車で隣りに座ったJKや前に立つおっさんや優先席でうなだれてる老人が家に帰ればブログで檄を飛ばしてるかもしれない。
今や誰だってネットに触れる。
では「ネット民か否か?」の差は、いったい何なんだろう。
一代目乙武洋匡成夫
先日の乙武氏不倫問題で
bylines.news.yahoo.co.jp
こんな記事が書かれていた。
スクープ連発の『週刊文春』に一矢報いた『週刊新潮』のスクープ「『乙武クン』5人との不倫」、幾つか疑問がある。
ニコニコ動画の「週刊誌欠席裁判」でも言ったことだが、これって乙武クン自作自演の「自己身体検査」ではないのか。
(中略)
3、すぐに夫人がマスコミの取材に応じ、「私にも責任がある」と女性の同情を買うようなコメントを出した。これで、乙武クン非難の声が少なくなった。
もちろん出馬絡みのリークは間違いなく、それがどこからなのか?に対し花田氏は自作ジエーンじゃないかとのたまう。
しかしこの記事についたコメントが、
「(夫人の謝罪コメントで)これで、乙武クン非難の声が少なくなった」僕らの見ている乙武騒動と違う!
http://b.hatena.ne.jp/entry/283425230/comment/bigburn
"夫人のコメントで乙武クン非難の声が少なくなった。" まるっきり逆ですよ?
http://b.hatena.ne.jp/entry/283425230/comment/yamaisan
この人の観測範囲というか、男性高齢者層だと夫人の謝罪で批難が消えるのか…そうなのかもなぁ。元々期待されてたであろう票田とは随分変わりそうだが。
http://b.hatena.ne.jp/entry/283425230/comment/kusigahama
こうなる。
おまそうな花田氏の観測範囲は、いわゆる非ネットな視点なのかもしれない。
だとすれば「非難の声」と言うのが果たして何の事だか疑問ではあるが。
しかしかつてのようにテレビが一方的バイアスで虚構の「世間」を作りだすトリックは通用しなくなった。
Mr.サンデーで乙武氏の不倫問題を取り上げていて、確か女子アナが「奥さんは全くの被害者なのになぜ謝罪文を」みたいなことを言ってて、違和感を感じた。世間に謝罪文を出すかどーかは別として、ダンナによそで女作られた実績がある私としては、私の方にもやはり非はあったと思うんだな。
— 及川眠子 (@oikawaneko) 2016年3月27日
テレビという存在がインターネットと言う情報導線により機能不全を起こしている。
以前なら個人が感じるだけで終わっていた”世間と言う概念への個人的な違和感”もこうやって明文化されてしまい共有されてしまう。
共有されればそこに新たなパラダイムを持ち寄るコミュニティ……”ネット的世間様”ができあがる。
「ニセ写真です!」とか下手な言い訳したり、次々と女性側から告発されたりしないから、そこは正直物足りないです。 https://t.co/OfG0gHiMgR
— 吉田光雄 (@WORLDJAPAN) 2016年3月26日
ネット上では「純情エロメガネ」の垢バレ。
ギャルとのツーショット写真がダダ漏れ。
乙武アカウントがいつ「当たり前ですがニセ写真です。写真を作った本人からはすでに謝罪して貰ったので、自分的には一件落着ずみ〜。初笑い、できたかな?」と岡田ちっくなツイート*1するのかdkwk。
乙武愛人50人説(ソースはサイゾー)は中国のネットユーザーにまで知られてるのにテレビではまったく触れられさえしない。
月に聞いたら、乙武さん中国のネットでも大人気。今回の事件で知った人が多く、日本のように「あの誠実そうなひとが!?」ではなく「障害があって5人不倫、絶倫凄い」的な騒がれ方だそう。
— 井上純一(希有馬) (@KEUMAYA) 2016年3月27日
「5人ではなく50人」とか、根拠ない数字までそのまま伝わってて、う〜ん……。
※参考:「50人と不倫?!」「乙武くんすごすぎ」不倫報道に驚く中国ネットユーザー - エキサイトニュース
乙武氏→例の炎上を連想するのがネット民。
情報格差によって印象は違う。
ただ今までテレビが作りだしていた「世間様」に代わりネットに新たな「ネット世間様(小並み)」(©熊代亨)が産まれたってだけですが。
hagex.hatenadiary.jp
azanaerunawano5to4.hatenablog.com
今回の乙武さんの話はいまだに詳細を知らないのだけど、かつて乙武さんが、接客に不満を持ったお店のアカウントへのリプライの際、@の前に半角のドットを付けていたことだけは、これからも忘れずに生きてゆきたいと思っています。
— terrakei (@terrakei07) 2016年3月25日
乙武氏はどんどん人相が悪くなっているように見てたから、イタリア料理屋の入店拒否騒動や今回の股間ご満足騒動に驚くことはない。ただ、国会議員になるのだけは本当に勘弁してほしい。
— masashi (@masashi1467) 2016年3月24日
いや、ほんまに。
こちらからは以上です(fadeout……)。
先日のこのツイート https://t.co/H12i7HgREa に「@の前にドット付けるとどういう意味があるんですか?」ってリプライが多数寄せられており、ツイッターに秘められた“悪意”を知らず平和に使っていた人たちを闇の世界に引きずり込んでしまった気持ちになって凹んでいる。
— terrakei (@terrakei07) 2016年3月26日
障害者=健全だと思われたくなくて、乙武君はブラックでエロで不健全なキャラをアピールしてきて、でもマスコミが全然拾ってくれないからTwitterでそこをアピールした結果、世間にも広まったと思い込んでたら、全然広まっていなかったことが今回明らかになった、と。それはちょっと切ない話。
— 吉田光雄 (@WORLDJAPAN) 2016年3月26日