岩波精 後藤遼太、岩崎生之助
2016年3月28日17時43分
集団的自衛権の行使を認める安全保障関連法には、「憲法違反」との指摘が絶えない。4月からは各地で違憲訴訟が起こされる予定だ。「平和に生きる権利がある」「子どもたちを戦争に行かせない」。原告団に加わる人たちは、29日の法施行後も訴え続ける。
買い物客でにぎわう福岡・天神で、富山正樹さん(52)=福岡市=がハンドマイクで声を張り上げた。「戦場で人を殺し、殺されるために息子を育ててきたんじゃない」。そばでは、一緒に行動する若者や高齢者ら数人がプラカードを持つなどしていた。
富山さんの20代の息子は現役の自衛官だ。昨年7月、衆院特別委で安保法案の採決が強行されたときに思った。「息子が戦場に行くことになったら自分を許せなくなる」
街頭演説の行動などの経験はなかったが、学生団体「SEALDs(シールズ)」がネット上で配信していた抗議のポスターを印刷。JR小倉駅前に向かった。恥ずかしくて、ポスターに隠れるように無言で立った。それでも、ツイッターで発信すると、見ず知らずの若者が加わってくれた。毎日のように立ち、声を出せるようになった。今は週2回、天神と小倉駅前に立つ。
富山さんによると、息子は2年前、「自衛隊に行くと就職に有利になるらしい。とりあえず入ってみる」と入隊。専門学校生だったが、就職活動が思うように進んでいなかった。
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